ホームドアは新たな市場となるか
バリアフリー新法・国交省令で設置が一部義務化される



「京三テクニカルフェア2009」で発表された京三製作所の「新型ホーム柵」「京三テクニカルフェア2009」で発表された京三製作所の「新型ホーム柵」
山手線、恵比寿駅・目黒駅は2010年度に導入
2009年12月号のTopicsでも紹介したが、2008年6月、JR東日本が山手線への「可動式ホーム柵」(ホームドア※1)導入に関する詳細を発表した。
これは、ホームからの転落や列車との接触などホームでの乗客の事故防止のために実施するもので、2010年度に恵比寿駅と目黒駅に先行導入し、今後10年間で山手線の全駅に導入する。
これに併せて、山手線の全車両に、ホームドアとの連携を行う装置と「TASC」(Train Automatic StopControl system:定位置停止装置)を設置。車両に設置したホームドアとの連携装置により、車両とホームドアを連携させて操作することが可能となり、TASCによって列車の駅到着時に運転士のブレーキ操作を支援し、ホームドアの位置と車両のドアの位置がずれることなく停止することが可能となる。
さらに、山手線の各編成には6扉車が2両連結されているが、輸送障害の発生時に西日暮里〜浜松町間で京浜東北線の4扉車が山手線の6扉車の位置に停車することがあるため、山手線の6扉車をすべて4扉車に置き換える。
JR東日本は、大規模駅改良などと調整を図りながら、2017年までには山手線29駅へのホームドアの設置を完了したいとしている。

ホームドア設置を一部義務化
ホームドア導入促進の契機になったのは、国土交通省(国交省)が鉄道駅のプラットホームからの転落事故を防止することを目的にまとめた「ホーム柵、設置促進に関する検討報告書」(2003年12月)である。この中で国交省は「ホーム柵」の必要性について言及し、次に挙げる4つの課題を提起している。...

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