〜SHEET NOW〜

デジタルデータを有効活用
「板金ケース.com」立ち上げ、Web販売網の構築にも意欲

株式会社星製作所



星 肇社長星 肇社長
担当の鈴木道人さん担当の鈴木道人さん
2代目である星 肇社長は、経営を任された1995年以来、率先してデジタル化を推進してきた。
「私が事業を継承した当時、自動プロはAP40を使用していました。発注元から受け取った図面はCADで描かれているにもかかわらず、AP40だと三面図を紙で受け取り1つひとつ手作業で展開しなければならない。リピート率が50%以下で、試作が多くロットが小さい多品種少量生産に対応する当社の場合、プログラム工程が大きなウエイトを占めていました。新規品が多いと、手間ばかりかかってしまい、プログラム工程でいかに効率化を果たすかが切実な課題でした」(星社長)。
星社長が採った対策は2つある。1つはAP100の三面図展開ソフトによる三面図(DXF)からの展開を実現すること、もう1つは、三面図展開機能を活用するために、紙ではなくDXFで三面図を提供してもらえるよう発注元の協力を取り付けることだった。

パンチングマシンEM-2510NTとVIPROS-345でブランク加工を行うパンチングマシンEM-2510NTとVIPROS-345でブランク加工を行う
発注元にDXFでの提供を根回し
2001年、同社はその後のデジタル化の端緒となるAP100を導入した。
「AP100を導入したことで、初めてデジタルデータが社内に採り入れられました。プログラム工程で、人手を介してつくり直すのと、あらかじめ電子化されているデータを活用するのとでは、担当者の負荷、ヒューマンエラーの件数などに格段の差が生じました」(星社長)。
AP100の導入効果に手応えをつかんだ星社長は、それ以降、デジタルデータの特長を最大限活用できる受注体制の構築に奮闘する。まずは、受注の際に電子データを提供してくれるよう発注元に依頼し、図面のやりとりをスムーズに進めるために、発注元の設計者に対して、製品形状と寸法線を分けるといった基本的なところから図面データの作成方法について要望を出していった。
「単にソフトを入れるだけでなく、最大限活用するために発注元の設計上流まで遡り、より効率的な運用ができるような提案をしていきました。デジタルデータをスムーズに活用できるようになれば、当社にとっては工数削減・生産性向上・省熟化に繋がりますし、社員の負担軽減にもなる。お客さまにとっては図面を出力する必要がないなどの経費節減・労力軽減の他、納期短縮・発注コスト低減に繋がります」(星社長)。...

つづきは本誌2010年2月号でご購読下さい。