〜SHEET NOW〜

ピーク比70%でも黒字体質を持続
支えるハイテクマシンと技術の和「日本一小さな大企業」を目指す

細谷精機株式会社



阿部 昇社長阿部 昇社長
創業50余年、新規事業が時代の波に乗る
創業当初は都内でカメラなどの光学機器部品の金属加工業者としてスタート。1971年に横浜市に工場を新設、精密板金業界に参入した。1989年に電子事業部を抱え、2003年には所沢事業所開設。主要な事業は精密板金加工・コネクタ、電子フィルタの開発・製造。現在はピーク比7割の受注だが黒字経営を堅持。さらに元気の良い話が聞けた。

第2工場に導入されたLC-2412F1NT+LST-2412F1第2工場に導入されたLC-2412F1NT+LST-2412F1
社長就任5年目、真価が問われる時
「私が社長に就任して丸4年が過ぎましたが一番、景気の悪い時に当たってしまいました。受注は従来の7割程度になっていますが、2011年の地上波デジタル放送への切り替えでケーブルテレビ関連の仕事はそれほど落ちていません。また、電子事業が堅調です。コネクタは通信・映像の高品質化をもたらす重要な役目を担っており、さらにセキュリティの分野も利用領域が拡大してきています。特に広域化に対応して周波信号のロスを抑え、通信の高品質化をもたらすコネクタの開発製造に特徴があります。また、電子フィルタ製造では、電波ノイズを阻止する高精度フィルタを製造しています」。
「本当に間の悪い時に社長になりました。最近は、受注しても利益率が悪化、収益が落ちています。ロットも1〜1,000個と様々、コストも下がっていますが、どんな仕事でも断らずにお応えするようにしています。減った分をどこでカバーするか、頭を悩ませていますが、当社の場合、口コミで紹介されて仕事が入って来ることが多く、長年の信用と先輩たちの頑張りの成果だとありがたく感じています」。と阿部社長はアマダスクール主催「第21回優秀板金製品技能フェア」溶接の部で受賞した銅賞の盾が飾られている社長室で現状を話す。

ロット30個からASTRO-100NTてるるで曲げ加工を行うロット30個からASTRO-100NTてるるで曲げ加工を行う
受けCADとしてSheetWorksも導入
製品受注に関しては3次元CADデータで来るのは2〜3社のみで、ほとんどが2次元のDXFデータや、FAXなどの三面図で受注する。2次元では製品の取り付け側や、裏側が読み取れない場合がある。手間がかかる上、ミスも招く。2次元データや三面図はAP100で展開を行うが、製品全体から見たコストダウンの手法を考え、設計提案を行うためには3次元データをもらうのが一番と考え、3次元ソリッド板金CAD SheetWorksを導入した。「パーツだけよりセット受注した方がコストダウンの手法をPRできる」と積極姿勢も崩さない。...

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