‹事例研究›―南ドイツの板金事情(2)

アグレッシブな提案営業で得意先を開拓
EML、ASTROを各2セット導入

mech-tron GmbH



アルフォンス・ストラッサー(Alfons Strasser)社長アルフォンス・ストラッサー(Alfons Strasser)社長
10月1日が創業記念日
この10月1日が創業9年目の記念日、その翌日に取材に伺った。
同社は創業以来、情報通信機器、エレクトロニクスとコンピュータ機器関連のボックスやケースなどの板金製品を加工するジョブショップとして発展してきた。売上は2007年が1,150万ユーロ(約15億円)、2008年は秋口からの急速な景気減速の影響を受け、およそ25%減の850万ユーロ(約11億円)となった。

積極的な提案営業を展開
深刻な不況の中、ストラッサー社長は積極的な提案営業によって新規顧客の開拓を実践した。不況の影響からか、ドイツ国内ではギャンブルに対する関心が高まり、ギャンブラーマシンの需要が拡大。そこでギャンブラーマシンに搭載するコイン投入装置などのユニットを設計段階から受注するために、3次元CADシステムMetal Designerを使い、製造性を検証した板金筐体の提案を行うことで受注に成功した。

同社で2台が稼働するパンチ・レーザ複合マシンEML-3510NT同社で2台が稼働するパンチ・レーザ複合マシンEML-3510NT
AT&T子会社とも連携
IT化が進み、オフィスビルの情報インフラを整備するためセキュリティー対策を兼ねたオフィスのリニューアルや、新たにデータセンターを設置する動きも加速。CO2排出量削減を目指してグリーンITも強化されるようになり、データセンターに設置されるサーバーや空調の使用電力量削減も求められている。その結果、オフィスやデータセンターに設置されるサーバー用のラックやキャビネット、空調も省エネ対応型に置き換えが始まった。
同社はオフィスやデータセンター向けに、サーバー用ラック、キャビネットをはじめ、配線用のケーブルを整理するメカニカルパーツなどの板金製品を形状・サイズ別にモジュール化し、アメリカの大手通信会社AT&Tのドイツ子会社と協業して標準カタログを作成。データセンターの新設やリニューアルに際して必要なキャビネット、ラック、メカニカルパーツをカタログから手軽にオーダーできるオーダーエントリーシステムを構築した。...

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