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総勢10名、不況下でも増収
ネットワーク化とレーザマシンにより売上が約1.5倍に

東野工業(株)



東野秀一社長東野秀一社長
東野秀一社長は、2001年に2代目社長に就任して以降、工場のネットワーク化を積極的に推進。同年に2次元CAD/CAM AP100を導入し、既設のパンチングマシンVIPROS-367 Queenに現場端末PEU/Winを追加してネットワークを構築したのを皮切りに、2002年には最初のネットワーク対応型ベンディングマシンFBDV-1253NT、2004年にはパンチングマシンEM-2510NT、2台目のFBDV-1253NT、板金ネットワークサーバーASIS100PCL(SDD)を導入し、工場全体のネットワークに組み入れた。生産設備の増設に比例して売上も伸び、2008/2009年(同社は8月決算)の売上は、2000/2001年と比べて約1.5倍(146%)になった。

パンチングマシンEM-2510NT、ビニールで保護された大板を加工パンチングマシンEM-2510NT、ビニールで保護された大板を加工
ネットワーク化にかける思い
2002年頃、東野社長がアマダマシンユーザーの工場を見学した際に受けた衝撃が、その後のネットワーク化推進の直接のきっかけとなった。
「当時はAP100とPEU/Winを導入し、工場と事務所のネットワークを構築したばかりで、漠然とですがITが今後重要な要素になるだろうという認識は持っていました。しかし、工場見学で最先端のネットワーク設備を活用している同業者の工場を目の当たりにして、『うちはこの会社より10年遅れている』と衝撃を受けました。その時に抱いた『悔しい』、『負けたくない』という思いが、ネットワーク化を推進する原動力になりました」。
その直後、東野社長はベンディングマシンFBDV-1253NTを導入し、プログラム・抜き・曲げの各工程をネットワークで繋いだ。事務所のAP100で展開図と立体姿図を作成し、ブランク工程のVIPROS、曲げ工程のFBDV-NTがそれぞれネットワーク経由で加工データや立体姿図を呼び出し、加工する。実際に運用してみて「これは使える」と手応えを感じ、ネットワーク化を加速していった。
「効率がまったく違います。人の行き来が減り、モノやデータを探す手間も減り、正確に情報が伝達されるようになりました。やるからには徹底してやる。工場設備はすべてネットワーク化し、曲げ加工データも初回に必ず作成する。それまでは発注元から送られてきた紙図面に卍を描いて曲げ寸法、内寸などを書き込み、現場に流していましたが、ネットワークを構築してからはAP100で作成した展開図、立体姿図を現場から呼び出して利用しています。当社では現在、月間1,200〜1,500件のプログラムを作成、AP100導入以来の8年間でプログラム数は累計12万件になりますが、立体姿図・曲げ加工データのないものは1件もありません」。...

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