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仕事が7割の時期にC1導入
危機の時にチャンスの芽を育てる

(株)稲垣工業



稲垣和彦社長(左)と稲垣光彦会長(右)稲垣和彦社長(左)と稲垣光彦会長(右)
創業者であり、父親でもある稲垣光孝会長から社長の座を譲られたのが2007年。昨年の取材時に比べ受注環境は大きく変わり、4〜6月がピーク比で30〜35%、単月では40%近く落ち込んだこともあった。そんな中、工程統合マシンLC-2012C1を5月に導入したということで再度伺った。

C1導入の目的と効果
「リーマンショック以来、当社も従来の30〜35%くらい受注量が減りました。他社が仕事が半分になった、3割になった、と言うのを聞くと、当社がそこまで落ちなかったのは幸いと感じています」と稲垣会長。「得意先は大企業は2〜3社で、毎月平均して35社くらい。大口のお客さまがほとんどなく、ロットが1個、2個という多品種少量生産品が中心で業種も幅広いのが大きく落ちなかった要因ではないかと考えています。建機関連はさっぱりですが、ここに来て、特殊トラックのボデー枠等のトラック部品、車載LPGのボンベ、医療用の設備などが堅調です。自動車の設備・装置関連の動きはまだまだ鈍いですが、細々したものでも合わせると従来と変わりないボリュームになり、繁忙感があります」と、すっかり若社長の風格を備えてきた稲垣和彦社長。

5月に導入した工程統合マシンLC-2012C1NT。速いため仕事が集中する向きもある5月に導入した工程統合マシンLC-2012C1NT。速いため仕事が集中する向きもある
85%の回復力
「仕事が回復したという感じはないが、この7〜9月になって若干上向いている感じ。とは言っても、一時的なもので先行きはまったく不透明。末端の中小零細企業にはまだまだ厳しい時代が続くと考えられます。しかし、逆にこの時期を千載一遇のチャンスと捕え、技術の向上と共にお客さまの要望に応えられる様、更なる努力を重ねていく覚悟」と光孝会長。さらに「新規開拓はもちろんですが、しかし、悪い時に歩いても得るものは少ない。それよりも従来からのお客さまの仕事をミスなく、経験豊富な溶接・仕上げを絡めて最高の仕上がりにして納めることが当社の最大の貢献できる点だと心得ています」と律儀な回答。...

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