〜特集「MF-Tokyo 2009(プレス・板金・フォーミング展)」〜
―板金市場のトレンドを探る―

“エコマシン”が最大の注目
中小サプライヤーにも求められる環境対策



「MFエコマシン認証基準」環境ラベル「MFエコマシン認証基準」環境ラベル
MF-Tokyoのサブテーマ“エコ”
「MF-Tokyo 2009」では、「進化するエコフォーミング金属加工技術展」を副題として掲げており、“エコ”が大きなテーマとなっている。
塑性加工は素材を丸ごと成形加工するためムダが少なく、切粉を出す切削加工と比べて圧倒的に「地球環境にやさしい」とされ、環境負荷低減を目指したモノづくりが求められるようになるにつれて、こうした特長を持つ塑性加工に対して注目が高まっている。
鍛圧機械の進化も目覚ましい。プレス加工マシンはサーボモーターの採用により、複雑な動きとスピードの制御が可能となり、金型への負担を軽減するとともに現場の調整作業を大きく低減。特に電動サーボプレスは作動油を使用しない分、油圧サーボプレスと比べて環境への負荷が大幅に低減される。
板金加工マシンは、レーザマシンを中心に加工領域・精度が大幅に向上しており、周辺機器や生産システムソフトなどとの連携により、歩留りの改善、生産性の向上、ひいては生産現場のさらなる省エネに貢献している。
日鍛工の“エコマシン”の取り組み
(社)日本鍛圧機械工業会(日鍛工)では、世界的に環境対応の機運が高まる中、生産現場におけるCO2排出量削減の取り組みが必要不可欠になるとともに、CO2排出量削減に対応することがアジア各国で生産される廉価な加工マシンとの差別化を実現する大きなポイントになると考えて、鍛圧機械の分野における “エコマシン”の基準づくりに着手。2006年10月には「鍛圧機械の産業ビジョン」(「産業ビジョン」)で地球環境への貢献と業界の発展をキーワードに、国際競争力の強化へ向けて「人と環境に優しいエコプロダクツ(環境配慮型製品)の実現」を掲げた。
2009年1月には「MFエコマシン認証制度」を制定、4月から本格的な運用を開始した。同制度は、工業会が独自に設定した「MFエコマシン認証基準」に基づいて統一の環境ラベルを設定し、外部有識者が参加する「認証基準審議会」(委員長:東京大学生産技術研究所教授・柳本 潤氏、副委員長:(財)省エネルギーセンター国民活動総括部部長・布施征男氏)において適合審査・認証・登録・公表を行うというもの。この取り組みにより、「産業ビジョン」の実現に向けた会員各社の活動を可視化するとともに、所定の認証基準に適合した会員企業の環境配慮型製品を「MFエコマシン」として国内外に信頼できる製品としてアピールすることで環境配慮型製品の開発・普及を促進し、環境負荷の低減および作業環境の向上に寄与することを目指している。
「MFエコマシン認証制度」認証登録リスト「MFエコマシン認証制度」認証登録リスト
「MFエコマシン」とは
同制度は、鍛圧機械を①プレス機械、②板金機械、③関連装置―の3つに分類して認証基準を作成。鍛圧機械メーカーから認証申請を受けた製品の評価は、設備の稼働時を主眼に、①エネルギーの効率的活用(省エネルギー)、②資源の有効活用(省資源)、③環境保全―の3つの環境要素に着目し、基準製品(同等の使用目的と同等能力をもつ2000年製または2000年以降に製造した製品)と相対比較して、次に挙げる3つの認証要件により評価する。 ...

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