〜業界特集〜

「鉄構技術展」12年ぶりに開催
高速・高精度化が進む1次加工マシンと溶接ロボットシステムに注目




09鉄構技術展09鉄構技術展
鉄構関連機器の展示・実演会「'09鉄構技術展」(主催・鋼構造出版)が7月22日?から25日?までの4日間、東京ビッグサイト東6ホールで開催された。開催に際しては、ファブリケーター(鉄骨加工業者)の全国組織である?全国鉄構工業協会の全国大会が会場で開催され、12年ぶり、6回目の開催となった今回は、全国から訪れ、2万3,624人の来場者が訪れた。
アマダのレーザマシンLC-3015F1NTの実演に見入る来場者アマダのレーザマシンLC-3015F1NTの実演に見入る来場者
12年ぶりの“復活”開催
前回開催の1997年からの12年間は、2度にわたる建築基準法改正、JASS 6改定、耐震偽装問題、改正建築基準法施行による混乱、鉄構業界へのダメージなど、厳しい環境が相次いだ時代でもあった。その間、鉄構業界を取り巻く環境は日々変化し、コストダウンや高品質の要求は高まる一方で、鉄構加工技術の進展は著しく、溶接ロボットシステムや1次加工機械、CAD/CAMシステムなどは飛躍的な進歩を遂げ、さらに次のステップのための自動化のニーズも急速に高まっている。
鉄骨業界のトレンド
昨年9月15日のリーマンショッ ク以降の金融危機、世界同時不況の影響を受け、製造業界での需給ギャップは最大45兆円にまで拡大し、企業は生産調整によって在庫減らしを行なうなど、需給ギャップ解消に懸命となっており、増産に関連した設備投資は凍結、中止が相次いだ。また、財政赤字が続く中で、政府や自治体も公共工事の発注を削減、箱モノ行政からの決別を進めている。
こうした環境の変化を受けて建設不況が続いており、高層建築をはじめ、H鋼を大量に使用する建物の建設は大幅に落ち込んでいる。H鋼の市況価格を見ても、2008年8月にベースサイズで1トンあたり12万7,000円という高値を付けたものの、リーマンショックで12月には10万円を割り込み、2009年6月には5年5カ月ぶりに7万円を割り込むまでに下落した。高炉材、電炉材ともに価格を下げており、鋼材流通業界では不況が長期化することで需要も30%以上の落ち込みはしばらく続くと見られている。一方、平成21年度補正予算で文部科学省がスクールニューディール政策を打ち出し、公立の小中学校の校舎の耐震補強工事を本格化すると発表するなど、2009年度下期には建築不況にも下げ止まりが期待されるようになっている。 ...

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