<事例研究>

地域経済の重鎮 ― オンリーワンへの道
小さくてもいいから“一流”になる




同社で製作された半導体製造装置関連の板金部品同社で製作された半導体製造装置関連の板金部品
創業65年を迎える藤田ワークス
同社は藤田社長の父親が1945年に藤田製作所として創業、都内の配電盤メーカーに勤めていた藤田社長が1981年、19歳でUターンして入社、それまでのプレス板金加工から精密板金加工に業種転換していった。1988年には当時の年商よりもはるかに高額で、しかも6mmの板まで常に加工できる国内でも設備台数の少なかったタレットパンチプレスを導入。これをきっかけに九州はもちろんのこと、以前勤めていた東京都内の配電盤メーカーの仕事にも手を広げていった。1990年に有限会社藤田ワークスに、翌年に株式改組するとともに藤田社長が27歳で2代目社長に就任。鹿児島県地域振興公社が造成した上野原テクノパークへ誘致企業として進出し国分工場を建設した。上野原テクノパークは上野原の「縄文の森」に隣接し、錦江湾が真下に望める風光明媚な名所でもある。ここに拠点を移し、以後は右肩上がりで事業を拡大、1997年には本社も上野原テクノパークへ移転した。2007年には14,850m2の土地に近代的なホテル風の新社屋が完成した。
「すべてはお客さまのために」と語る藤田康路社長「すべてはお客さまのために」と語る藤田康路社長
すべてはお客さまのために
同社が目指すもの、それは「すべてはお客さまのために」。製品だけでなく、お客さまの要望やアイデアを反映した製品づくり、徹底した品質管理と納期管理、優れたコストパフォーマンスを追及している。毎月20万アイテムを納品し、平均ロット数は3.7個。あるグループでは76カ月連続で納期遅延ゼロを達成、不良率0.003%以内が全員の目標。半導体製造装置メーカー向けの仕事をするグループでは、百数十社にもおよぶサプライヤーの中で、唯一3年連続で優れたQ,C,D+α(レスポンス)が顕彰されるなど、同社の経営品質は高く評価されている。...

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