〜特集「環境負荷低減に対応したモノづくり」〜

“Green & Digital” に対応したデジタルブロードバンド工場
製品1個を製作するのにCO2をどれだけ排出したかが評価基準になる




牧野拳一郎社長牧野拳一郎社長
仕事は緩やかに回復?
世界同時不況による経済危機は板金業界にも大きな影響をもたらしている。マクロ景況は底を打ったというものの、実体経済を代表する製造業では一部を除き、大半の業種で在庫調整による生産縮小が続き、板金工場の受注は改善しているとはいえピーク比で3割から6割程度にまで落ち込んでいる。そんな中で試作板金を中心に精密板金加工事業を行うマキノの2009年3月期決算は、前年同期比で1桁の減少幅に留まり、リーマンショックによる大きな影響を受けることはなかった。しかし、2009年3〜5月の仕事量は7割も落ち込み、7月に入って仕事は少し戻ってはきているが、それでもピーク比6割止まり。同社も損益分岐点比率を下げる努力を行っているものの、2009年度は大幅な減収減益は避けられないという。そして「来年度中に世界経済が回復してきたとしても、生産が7割まで戻れば良しとしなければならない」(牧野拳一郎社長)との見通しと覚悟を持っている。
マキノの屋上に設置された太陽光発電装置。立っている牧野社長の右側が20年に設置したパネル、左側が今回設置したパネル。太陽光を受けやすくなるよう5度上向きに設置された。マキノの屋上に設置された太陽光発電装置。立っている牧野社長の右側が20年に設置したパネル、左側が今回設置したパネル。太陽光を受けやすくなるよう5度上向きに設置された。
グリーンパートナー
板金業界でもこうした新産業をどのように取り込んでいくのか、併せて環境負荷を低減するモノづくりをどのようにして進めていくかに関心が集まっている。首都圏では大手企業でも資材や設計担当者がサプライヤーの工場を訪れるのに自動車の使用をやめ、公共交通機関を使う傾向が顕著になっている。また、グリーン調達を強化して環境への取り組み次第でサプライヤーを選別、グリーンパートナー企業として認定する企業も現れ始めている。
シングルパンチプレスHMX-3510NT+RMP-48M+MJCシングルパンチプレスHMX-3510NT+RMP-48M+MJC
太陽光発電の規模
3階建ての工場屋上に第1期、第2期工事合わせて出力100kWの太陽光電池により、工場で使う電力の一部に充てる。事務所壁面では、壁掛けタイプの32インチのディスプレイに太陽光発電パネルで自家発電している電力量がリアルタイムに刻々と表示されている。その並びに3台の50インチディスプレイがあり、工場の稼働状況をリアルタイムに把握することができる稼働サポートシステムvFactoryと「工程遵守ボード」、そして3台目には工場内13カ所に設置されたwebカメラで撮影されているライブ動画が映し出され、進捗の度合いを確認し、マシンなどの突発的な出来事に素早く対応できるようになっている。...

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