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顧客満足度重視で異業種との連携目指す
工程統合マシンで加工の流れを変える




田城裕司社長田城裕司社長
同社はワイヤ放電加工機、立形マシニングセンター、NC 旋盤などの工作機械と、シャーリングマシン、レーザマシン、パンチ・レーザ複合マシン、ベンディングマシンなどの板金加工設備を駆使した複合加工で、半導体・液晶製造装置、新幹線N700 系の床板、医療機器用部品など様々な製品を受注。神奈川県内を中心に100社以上の受注先から試作や単品・ロット加工まで幅広い仕事に対応する。田城社長は神奈川県中小企業センター、神奈川県産業センター、神奈川県商工労働部などが企画する異業種交流会をはじめとした様々なイベント・情報交換会に積極的に参加、人脈づくりに熱心に取り組み、受注先の拡大を目指す。それだけに業界情報に精通し、新しいマシンやプロセス改革への取り組みにも積極的である。今回は昨年10月に導入した工程統合マシンLC-2012C1NT+MP-2512C1の1 号機と、半年を経過しての導入効果について話を聞いた。
6kWレーザ発振器を搭載したFO-4020NT+AS-4020FO6kWレーザ発振器を搭載したFO-4020NT+AS-4020FO
工程のプロセス改革
田城社長は大きなパラダイムシフトの中でこれまでのタシロの歩みをリセット、新生タシロを目指すようになった。そんな中で考えたのが工程のプロセス改革。それまではブランク加工をパンチ・レーザ複合マシンとレーザマシンで対応、曲げをネットワーク対応型のベンディングマシンで加工していた。そしてレーザ加工とワイヤ放電加工の組み合わせ、レーザ加工とマシニング加工との組み合わせという他社にはない複合加工で差別化を図ってきた。しかし、工程は機械ごとの単工程の連続、横持ち作業が多くなっていた。特に同社が差別化の柱としてきたレーザ加工とマシニング加工との複合加工では、原点合わせを行って加工してもクランプを行うことで位置決め精
度は変わる。横持ち作業に伴う治具段取りなどの内段取り作業が目立った。1991年に導入した複合マシンは搭載する発振器も1kW。さらにタレットに保有する金型にも制限があって、工程統合とは言うものの、その中身は薄かった。そこでパンチ・レーザ複合マシンEML+TK に注目。レーザ出力は4kW。ブラシテーブルで6mmまでの切断・抜き・成形・タップ加工に対応できる。ところがEML+TKは全長17mで設置スペースの確保が難しく、LC-C1NT を提案された。...

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