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新青森へ最速、ロングノーズのE5系新幹線


川崎重工業鰍ニ鞄立製作所で製造された東北新幹線E5系川崎重工業鰍ニ鞄立製作所で製造された東北新幹線E5系
JR東日本は6月15日、川崎重工業(株)と(株)日立製作所によって製造された東北新幹線E5系の量産先行車10両編成(電動車8両、付随車2両)の走行試験を開始した。
E5系に代表される新幹線の高速化事業は、JR東日本が2010年12月目標で準備を進めている東北新幹線の八戸〜新青森間の開業に向けて取り組んできた。高速運転を実施する区間は大宮〜盛岡間で、営業運転の高速化は、八戸〜新青森間開業後の2010年度末から2013年度末まで段階的に行われる。E5系に関しては、投入直後の2010年度末に大宮〜宇都宮間を時速275q(現行240q)、宇都宮〜盛岡間を時速300q(現行275q)で走行。2012年度末には、宇都宮〜盛岡間をスペック上の最高速度である時速320qで走行する計画で、これが実現すればフランス国鉄の高速列車TGVと並ぶ高速走行車両となり、東京〜新青森間の所要時間は3時間5分程度に短縮される。
E5系はアルミニウム合金製の車体で、全車両に新型のフルアクティブサスペンションを装備している他、車体傾斜制御による曲線通過時の乗り心地向上が図られている。普通車は、シートピッチが980oから1,040oに拡大し、乗り心地が向上している。全車両に空気清浄機能、全座席に読書灯を装備し、さらにグリーン車とは別に3人(2人掛け+1人掛け)×6列で1車両18座席のみの「スーパーグリーン車(仮称)」を導入する予定。特徴的なロングノーズタイプの先端形状は、トンネル微気圧波(トンネル進入時の振動や発破音のもととなる空気の圧縮波)を低減するためのもので、その他にも全周ほろ、低騒音パンタグラフなどの騒音対策が図られている。
設計費用まで含めると1編成あたりの製造費用は約45億円とも言われており、最終的には59編成が製造されるとのこと。
日本の鉄道車両メーカー
現在、新幹線車両を製造する車両メーカーとしては川崎重工業梶A近畿車輛梶A東急車輛製造梶A日本車輌製造梶A鞄立製作所の大手5社がある。このうち、日本車輌製造の株式は50.1%をJR東海が昨年TOBで取得、子会社化している。これに東急車輛製造、近畿車輛を加えた3社が鉄道会社との結び付きを強くする一方、日立製作所と川崎重工業は鉄道車両の総合メーカーとして世界市場を目指している。...

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