〜業界特集 がんばる板金サプライヤー

回復の兆し。でも従来の7掛けと読む
新工場・新規設備で、大型・厚板加工分野にも意欲




西村 明 代表取締役社長西村 明 代表取締役社長
新工場が8月に完成
同社敷地に入ると、大きな建機がうなり声をあげていた。本社工場の横に急ピッチで進められている新工場の建設で完成すると敷地面積が2,700u近い新鋭工場になる。
同社は1967年に父親で創業者である西村剛会長が平野区で板金加工業を始めた。1972年には大手造船メーカーからの船舶用制御盤やブリッジの板金製品を加工するために八尾市に移り、社員も10名くらいに増えた。その後も事業の拡大に伴い広い工場を求めて移転。1991年に現在地に工場を建設し、地続きの土地を取得して今年の8月に第2工場が完成する。
「22歳の時にこの会社に入りました。私が入社することによって社員の若返りも狙っていました。経験と勘と度胸(KKD)でのモノづくりをもっと数値化して誰にでもできるようなモノづくりの仕組みをつくりたかった」と話される西村社長は入社の時、当時の社長から「職人は頑固な気質のヒトが多いから覚悟して入れ」といわれたという。入社した明氏は自ら面接して若い社員をドンドン採用、社員の若返りを進めて行った。仕事面では現場に配属されパンチプレスやベンディングマシン、シャーリングマシンなどの操作と、AP40/60による展開・プログラム作業もできるようになった。現場のマシンが使えると、もっとこんなことができるのではないだろうか、と模索するようになる。2001年にはISO9001の認証取得をキックオフ、翌年6月に取得した。良いお客さまがんばる板金サプライヤーの仕事をしたい、そのためには今まで勘に頼っていた仕事をマニュアル化し職人気質を変えていくことが狙いでもあった。また、メインバンクが主催する若手経営者の会合にも参加し、若き経営者としての研鑽を深めていった。

長尺モノに期待が寄せられるHDS-2204NT長尺モノに期待が寄せられるHDS-2204NT
仕事も変種変量へ
船舶用配電盤や制御盤などに加えて、新たに信号機メーカーからの道路標示板や、農機具メーカーからエンジンカバーの仕事がくるようになった。得意先が大手企業の場合、事前に工場検査が行なわれ、設備の更新具合や品質管理への取り組む姿勢、各種資格や認証取得などが口座開設の検討要素になる。工場設備に関しては「当社は父親の代からアマダオンリーでやってきました。自動プロはAP30/40からAP60、そして2006年と09年にAP100と、すべて段階を踏んで育ってきました」。マシンでは、ネットワーク対応型ベンディングマシンは2000年にFBDV-8025NT、2007年にFBDV-1025NTを導入。2009年3月にパンチ・レーザ複合マシンEML-3510NT+ASR-510M(リア置きサイクルローダ)と、大型製品で厚板の曲げ加工にも対応できるベンディングマシンHDS-2204NTを導入した。...

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