〜特集「どうなる日本の板金加工業」〜

<事例研究>
中小企業緊急雇用安定助成金を使ったヒトづくり
長野県シートメタル工業会と(株)平出精密




平出正彦社長平出正彦社長
雇用調整が進む板金業界
長引く不況の中、年が明けた1月 以降は正社員の希望退職者募集な ど、固定費削減への対応から人員削 減に踏み切る企業が増加している。 しかし、企業の社会的責任、むやみ な雇用調整が地域経済にもたらす影 響、景気が回復した時の人手確保な どを考えると雇用に手をつけること は最後にしたいというのが経営者の 本音。そこで、雇用調整を最小限に とどめるために、政府が行っている 雇用調整給付金制度などを活用した 一時帰休や、仕事の負荷に応じて人 員を最適化するためのワークシェア リングを行う企業が増えている。そ んな中で、中小製造業者が今、着目 しているのが、厚生労働省が昨年12 月から実施している緊急経済対策の 一環としての「中小企業緊急雇用安 定助成金制度」。
今年導入したばかりの工程統合マシンLC-2012C1NT+MP-2512C1今年導入したばかりの工程統合マシンLC-2012C1NT+MP-2512C1
緊急雇用安定助成金制度の中身
これは急激な資源価格の高騰や景気の変動など、経済上の理由による企業収益の悪化から生産量が減少し、事業活動の縮小を余儀なくされた中小企業事業主が、その雇用する労働者を一時的に休業、教育訓練または出向させた場合に、休業・教育訓練または出向に係る手当て、もしくは賃金などの一部を助成する制度。特に今回は緊急対策ということで助成率が従来の2/3から4/5に変わり、さらに教育訓練を実施した際の教育訓練費が1人1日1,200円から1人1日6,000円と大きく引き上げられた。...

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