〜Sheetmetal world〜

海外メディアが見た日本の板金業界(2)
ロボットの大群が正確に作動、一致したオーケストラのよう
― 日本にいることを実感
― トルコの機械技術雑誌Metal MakinA誌の記事より抜粋


取材するDr.Halefsan Sumen編集長取材するDr.Halefsan Sumen編集長
 7月から株式会社アマダはアメリカ、トルコ、ドイツ、イタリアの機械専門雑誌社6社8誌の記者をMedia Japan Tourで日本に招聘、日本の板金業界を取材していただく機会を設けた。取材した原稿はそれぞれの雑誌の10月号、11月号で紹介されている。本誌11月号ではアメリカのFF Journalとthe fabricatorに紹介された記事を紹介した。今回は新興市場であるトルコの機械技術雑誌としては最大部数を発行するMetal MakinA誌の編集長Dr.Halefsan Sumenが同誌10月号に紹介した「アマダユーザーへの訪問」からその要旨を抜粋して紹介する。
 Dr.Halefsanは同誌の編集長とイスタンブール工科大学など2校の大学で経営工学(生産システム論)を教える講師を勤めている。もともとトルコは親日家が多いと言われており、生産工学の分野ではトヨタ生産システムが注目されていて、同博士はトヨタ生産システムの研究者でもある。それだけに今回の来日は板金業界の視察という視点と、トヨタ生産システムが日本の中小企業でどこまで浸透しているのか、発注元とサプライヤーの関係がどのようになっているのか、様々なテーマを持って来られていた。

ルポより
富士宮事業所のレーザ専用工場で組み立てられるLC-F1NTシリーズのマシン群富士宮事業所のレーザ専用工場で組み立てられるLC-F1NTシリーズのマシン群
 アマダは世界一の板金加工のソリューションを提供する会社で、そのアマダユーザーを7月下旬に訪問しました。暑い中であったが、とても快適で、かつ収穫の多い訪問でした。
 最初の訪問先はインター精工株式会社(社長・田中博邦氏、埼玉県日高市旭ヶ丘竹の台635-1、Tel:042-984-0580)で60年の歴史を持つ自動車部品サプライチェーンの協力会社。この会社では非常に複雑な形状の板金部品をトヨタ、ホンダ、マツダなどの自動車メーカーに納入している他、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)にも輸出しています。最初に会議室で会社概要の説明があり、その後現場を見せていただきました。私は、現場の前を通った時に、日本にいることを実感しました。ロボットの大群が正確に一致したオーケストラのようにプレスマシンを動かしていましたから。我々は、ロボットが材料の搬入出まで行うのを興味深く見学しました。加工が終わった部品は、光学式の非接触検査装置で検査された後、輸送用に箱詰めされます。順送り型と呼ばれるシーケンシャル金型で部品を加工するのにアマダの機械が使われています。...

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