〜特集:「F1の加工例拡大」〜

ステンレス機器の設計から加工まで
面質と精密なエッジ加工に魅力−F1

信栄産業(有)



取締役信野義明部長取締役信野義明部長
 食品製造機器、食品加工機器、厨房機器、半導体関連機器、洗浄装置などを主として手がける。特にステンレス加工に高度な技術を持ち「設計→製缶→機械加工→組立」まで、アマダの新鋭マシンと技術力を集結して製作。納められた製品や、同社のお客さまに対する姿勢などを総合して、取引先から《製造パートナー》として高い信頼が寄せられている。
 同社は1974年(昭和49年)に信野義雄社長によって創業、以降、独自の工夫と優れた技術力を基盤に製缶・板金加工に加え、さらなるアイデアを盛り込み、ステンレス鋼を<より速く、より美しく>をモットーに製品化。小さな部品から大型機器まで、発注元の構想を元に基本設計から加工・組立に至る全工程に対応できる技術力、設備力を備えることを目指してきた。
 主な受注製品は地元の食品機械メーカー、大手製パンメーカーなど2社から、製パン設備や排水パンなどの仕事で、2社で売上げの2割を占めている。半導体機器関連の売上げは5〜6割、その他が産業用機械、各種試験機、試作機などの工作機械関連の機械カバー、部品などで得意先は県内の約30社。受注割合は新規が7、8割、カバー関係のリピートは2、3割となっており、どの業種からの仕事も多品種少量生産品となっている。食品関係のロットは1、2台だが、部品点数は1,000点以上にもなる。加工するステンレスの多くはSUS304、430やアルミなどが主で需要に応じ錆や腐食に強いSUS316なども増えている。信野義明取締役部長に話を聞く。

ステンレスに強いマシンを当てる
Dr.ABE_Bendが手前に表示されている状態のプログラム室Dr.ABE_Bendが手前に表示されている状態のプログラム室

F1のシャープエッジ加工の特長を生かしたクワガタのサンプルF1のシャープエッジ加工の特長を生かしたクワガタのサンプル
 「ステンレスを当初はシャーリングで切断して加工していましたが切断精度に課題を残していました。そうした中でステンレスの外周をレーザ切断すると共に、穴あけをパンチング加工することで加工精度を改善することを考え、1990年に1kW発振器を搭載したアマダ製のパンチ・レーザ複合マシンAPELIO2-357を導入しました。しかし、複合マシンの場合はレーザ加工が可能な板厚の限界、パンチング加工時の抜きバリの問題などもありました。そこで、96年にレーザマシンLCV-3015β2(3kWレーザ発振器搭載)を導入しました。2台のレーザマシンを駆使して対応してきましたが切断能力としては16mm、アシストガスにチッソを使うクリーンカットは6mmが上限でした」。...

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