〜金沢座談会〜

板金ゼネコンに対応する板金業界
中・厚板への対応と薄板市場の拡大を考える3次元CADを提案ツールに活用




アイティエムコーポレーション(株) 代表取締役 西田利雄アイティエムコーポレーション(株)
代表取締役 西田利雄
 景気は曲がり角を迎え、板金業界も昨年末から受注動向に陰りが見えはじめ、20年度下期以降の業況見通しにも慎重論が大勢を占めるようになっている。そうした中で原油高や国際的な資源高騰の影響を受け鋼材価格をはじめとした材料価格の上昇が続く中で発注元の資材調達はこれまで以上にモジュラー調達、セット発注の傾向が強まっている。 そうした部材調達の大きな変革に対応して板金業界でも3次元CADを導入して設計上流から加工、塗装、組立までを行い、サブアッシー、コンポーネンツ単位のセット受注を目指す企業が増加している。そして板金以外の機械加工、樹脂成形加工、ガラス、木材などの非板金部品を自社調達する板金ゼネコン型企業が誕生するようになっている。そこで9月号では建機、工作機械をはじめとした機械工業が盛んな石川県内の板金企業3社の経営者にお集まりいただいて景気の見通しから、これからの業界動向、板金ゼネコンというビジネスモデルに関して話し合っていただいた。
(株)イコマ・メカニカル 代表取締役 生駒 寛(株)イコマ・メカニカル
代表取締役 生駒 寛

― 設計から加工、組立まで行ってアッシーで納める風潮になってきています。先行きの景気見通しに関してはどのようにお考えでしょうか。

販路拡大に取り組む
 生駒 IT関係は、昨年くらいから下向きになっています。当社は常時40社くらいのお得意さまと取引させてもらっています。当社の得意とする技術を生かせる業界を開拓し、県外にも販路を拡大しているところです。

「工作機械」が得意分野
金沢スプリング(株) 代表取締役 伊藤直之金沢スプリング(株)
代表取締役 伊藤直之
 伊藤 当社の場合、2007年11月頃から潮目が変わったと感じています。工作機械関連では9月までの仕事は見通しがついていますが10月以降の仕事が不透明になっています。これまではアメリカの景気が悪くなっても欧州向けが伸びていましたが、今では欧州も厳しくなって土砂降りの様相を呈しているようです。今後、1年半から2年くらいは厳しくなるという見通しを発注元からも聞かされています。景気が良い時は比較的リピート品が多くなる傾向ですが、景気が悪くなると特注機対応が増加してきます。その意味で新規受注が増えてきました。当社としては工作機械が悪くなったといっても他業種にいく予定はない。設計から加工、組立まで一貫して行っているので発注元との関係は深く、これまで以上に取引先の仕事を受注できるように努力していきたいと思います。...

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