〜特集:「電子部品実装機業界の動向」〜

Q,D,Cが重要なマウンター市場
設備力強化を目指し工場、設備増強を計画

東和(株)



吉澤貴之社長吉澤貴之社長
 同社はチップマウンター・産業用ロボット・OA機器・電子機器・制御盤等の精密板金部品の製作から、2輪・4輪の板金試作部品製作とプレス加工を主体とする。創業以来、精密板金加工のトップ企業を目標に事業を拡大、平成元年に現在の浜松技術工業団地に工場を建設、移転した。平成16年に新本社工場を建設、従来の工場を第2工場とした。7月に二代目社長に就任したばかりの吉澤貴之社長に業界の現状、今後の方向性を聞く。

最近の発注元事情
EMZ-3510NTP+ASR-48RM+MJCで加工中EMZ-3510NTP+ASR-48RM+MJCで加工中
 「受注の5割を占めるマウンター業界はコスト競争のうねりに引き込まれています。チップマウンター(電子部品表面実装機)に使われる板金製品はカバーや内蔵部品で様々なものがありますが、平均ロットは約20個と非常に板金加工向きの仕事です。基板に自動で電子部品を載せていくマウンターは順調に成長していた産業だったが、ここのところの世界的な景気後退で携帯電話やデジタル家電等の組立てを請け負っているE.M.S(.電子部品組み立て産業)のブレーキは大きい。携帯電話ひとつとっても新製品開発サイクルが早く、陳腐化のスピードが早い。1個の基板に100万個近い部品を実装するマウンターも、設備耐用年数−マシンビンテージがどのくらいなのかは我々では分らない。今まで順調に生産台数が増えていっているからといって、今後も受注増をあてにしても大丈夫なのかという不安もあります。電子部品組立て産業の設備投資は中国では上げ止りの感があります。取引先が中国のユーザーを視察に行くので一緒に行ってきました。中国上海での人件費はこの7〜8年で2倍に上がり、組立てた製品の売値は1/3になったということです。現在は信じられないほどの低価格競争に耐えうる工場か、とんでもないくらいの高品質要求に応えられる工場かの二極に分かれているようです」。...

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