〜特集:「電子部品実装機業界の動向」〜

踊り場を迎えたマウンター業界
低価格化と高精度・高密度化に二極化する市場動向



携帯端末には100万個以上の電子部品が実装される
図1 半導体・電子部品実装関連装置の市場図1 半導体・電子部品実装関連装置の市場
 最近はアップルが7月11日から全世界で発表した3G対応の情報端末をかねた携帯電話iPhone 3Gが話題となっているが、こうした端末には実に1000個近い電子部品が搭載されている。1cm角のマイクロプロセッサーから1mm角にも満たないコンデンサーや抵抗素子まで微小な電子部品が回路基板の上に整然と、そしてぎっしりと並んでいる。この電子部品の実装を行う装置が「チップマウンター」と呼ばれる実装装置。携帯電話をはじめデジタルカメラやデジタルビデオカメラ、液晶・プラズマテレビ、ノートパソコンといった身近なデジタル家電はハードとしての軽薄短小化と、ソフトとしての高機能・多機能化が求められている。こうした市場ニーズを実現するため、チップマウンターメーカーではさまざまな製品開発に取り組んでいる。

市場を拡大するモジュラーマウンター
高速モジュラーマウンター FX-3(JUKI)高速モジュラーマウンター FX-3(JUKI)
 もともとチップマウンターには、主に微小チップを高速に搭載するロータリーマウンターと、さまざまな部品に対応するモジュラーマウンターと大きく2種類に分かれる。従来のロータリーマウンターに対して1台で多種多様の電子部品が実装可能な多機能マウンターに高速性を付加したモジュラーマウンターは、新しいカテゴリーの製品で最近、需要を伸ばしている。電子部品の組立業界では数年前までの主流だった3216(3.2mm×1.6mm)の部品が、0603(0.6mm×0.3mm)になり、部品の性能を維持向上させながら、面積比にして約28分の1にまで縮小してきている。2014年までには0402(0.4mm×0.2mm)が電子部品の主流となり、ハイエンドな製品については0201(0.2mm×0.1mm)が搭載するだろうとの見方がある。このため、マウンター業界では変化の激しい市場動向に対応したフレキシブルな生産体制を整えながら、電子部品実装の高速・高精度・高密度・コスト削減が大きなテーマとなっている。(図1)...

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