〜特集:「LC-F1NTシリーズによる市場創造」〜

デジタル化、インテリジェント化されたF1で長時間稼働実現
2年間でEML、F1を導入

(株)デンケン



平成11年の創業
豊田 充社長豊田 充社長
 同社は大正6年に創業された金属表面処理、アルマイト処理を行う株式会社豊田電研工業所(本社・名古屋市)の西春工場で昭和53年にスタートした板金加工部門が平成11年8月に分社・独立して創業された。豊田充社長は豊田電研工業所の歴史を継承する3代目社長で、商社マンとして世界で活躍したいという希望からアメリカの大学に留学して勉学に励んだ。ところが留学中に父親が倒れ、父親の事業を継承することになった。そんな時期に昇降機メーカーから、表面処理の前工程である板金加工をやって欲しい、という依頼を受けた。エレベーターやエスカレーターの仕事はこれから面白くなると考え、メーカーから板金加工のプロを派遣してもらって技術指導を受け、西春工場で板金加工事業を立ち上げた。

昇降機の板金部材加工が6割占める
ASF-3015F1に格納されていた加工済みシートを排出して製品とスケルトンを仕分け作業するASF-3015F1に格納されていた加工済みシートを排出して製品とスケルトンを仕分け作業する
 同社が得意とするのがスパイラルエスカレーター意匠部材の加工、溶接・組立。デッキボード(インナーデッキ、アウターデッキ)をはじめ、ガードレール、欄干柱といった意匠部材などを含めた部材加工を行うようになった。また、エレベーターに関してもカゴ室、天井部品、巻上機に関連した部材の加工を受注するようになっていった。指導技術員によって始まった事業ではあるが、今ではスパイラルエスカレーターに使われる部材加工の大半が自社生え抜きのスタッフでできるようになった。
 デンケン創業後は昇降機メーカーからは板金部材から巻上機や昇降路内の機械加工部材まで幅広くなっていき、板金加工設備以外の機械加工設備も拡充、受注する仕事の7割以上を占めるようになった。しかし、1業種に偏重すれば景気変動に弱いと考え、積極的な営業活動を行った。結果、現在では昇降機関連はエレベーター、エスカレーターを合せて6割、荷役運搬機械や自動倉庫などの物流関連の仕事が2割。残りは半導体製造装置に使われる搬送装置、基板にチップを実装するチップマウンターの仕事などに拡がった。

エスカレーター部材加工に特長
 「当社はスパイラルエスカレーター製造には欠かせないR曲げをメインにした板金加工。ブラケット、ステーなどを加工する機械加工の技術開発、高度化により高品質な製品づくりをモットーに多くの実績とお客さまとの信頼を築き上げてきました。1999年にISO9002、2001年にISO9001:2000の認証取得をはじめ、お客さまの多様なニーズに対応するきめ細かな品質管理体制づくりにも取り組んでいます。...

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