〜特集:「製造からの3次元CAD」〜

SheetWorks 2台で建機部材のVE/VA提案に活用
設計から加工、組立までの一貫受注を目指す

(有)平野製作所



建機部材を加工
作業手配書には製品の立体姿図とバーコードが印字される作業手配書には製品の立体姿図とバーコードが印字される
 平野製作所は1.0mm〜25mmまでの薄板から中・厚板を材料としてマシニングセンタによる機械加工、6kWレーザ発振器を搭載したレーザ加工機やプラズマ切断機、ベンディングマシンを活用した精密製缶・精密板金加工とアーク・Tig溶接ロボット9台による溶接加工、下塗り塗装、組立などを行ってセット発注に設計段階から協力できるストロングサプライヤーを目指している。発注元は千葉県内の40余社の企業。7年前からは建機メーカーから発注される油圧ショベルのエンジンカバー、外観カバー、エンジンブラケット、ステーなどの部材加工の仕事が拡大、現在では売上げの4割が建機関連で占められる。建機業界は空前のブームで2015、20年までは好調な受注・生産が持続するといわれ、同社も建機メーカーとの取引拡大に期待している。建機メーカーとの付き合いも当初は8台/月のブラケットの加工、それが現在では月間で500点、子部品を含めれば3,000点もの加工品を受注するまでになっている。建機部品に関しても高品質、短納期、低価格の要求が一段と厳しく、レーザマシンで16mmの材料を切断後、ベンディングマシンで曲げ加工を行い、溶接ロボットなどで溶接を行った後、マシニングセンタで基準面を±0.1mm以下で仕上げ加工する製品が増加、機械加工を入れないと製品にならない加工も増えている。

月間150トンの鋼材を加工
工程、機械ごとに山積みされた負荷を「hirano factory」画面で見ることができる工程、機械ごとに山積みされた負荷を「hirano factory」画面で見ることができる
 同社で加工する鋼材は150トン/月。材料比率も高く、最近の鋼材値上げに対応するコストダウンが大きな課題となっている。それだけに機械加工していた工程をレーザ加工に置換したり、溶接を曲げで一体製品にするなどのVE/VA提案を発注元から強く要求されるようになった。しかし、こうした提案はすぐできるものではない。それを支えるのがQ,D,Cを満足する設備力と管理能力。同社は平成12年にアマダのプラズマ切断機SPGR-2051、14年にレーザマシンLC-3015βVNT+AS-10510PC、すでに導入していたマシニングセンタによる機械加工と板金加工の複合加工により精密製缶製品を供給していた。...

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