〜特集:「製造からの3次元CAD」〜

アセンブリーを意識できる3次元設計
web を活用したコラボレーション環境を確立

(株)関東精工



デジタル工場で作られる板金製品
6台のSheetWorksを使ってモデリングやバッチ展開作業される6台のSheetWorksを使ってモデリングやバッチ展開作業される
 関東精工は昭和48年、富士宮市内から芝川町へ工場を移転した。以前はプレス加工が中心だったが多品種少量生産に対応した板金加工にシフト、現在では板金加工、機械加工、溶接組立、塗装の各工場の他、スキルアップトレーニングセンターが完成、社員数100名弱、年商は15億円を超えるまでに成長した。受注する製品は工作機械用のスプラッシュカバーをはじめとした筐体関係と、工作機械向けの油圧装置、医療、食品、印刷などの各種産業機械などのユニット、部品と多岐に亘っている。主力の工作機械のスプラッシュカバー、筐体関係は売り上げの30%弱。また工作機械用の油圧装置に関しては国内の17%を同社で生産、直接工作機械メーカーに出荷するまでになっている。この成長を支えているのが12年前から取り組んできた3次元CADを活用した客先へのVE/VA提案。受注した客先の図面どおりにモノづくりするサプライヤーから、2次元、3次元の製品データをモデル化し、加工のしやすさ、組立のしやすさを検証、シミュレーションして最適な設計、加工提案を行う企業に変わったから。こうした提案が客先の評価を得て得意先や仕事が増えている。

自社設計を立ち上げる
ダウンロードしたモデルから板金モデルを抽出するダウンロードしたモデルから板金モデルを抽出する
 「当社では2次元データや図面で受注した製品データを社内で3次元化、板金属性を定義して自動でバラシ、展開を行っています。12年前に複雑な形状の展開を目的にAP200を導入しました。6年前にSheetWorksの導入と同時に3次元設計と3次元モデルを受けての展開を行うようになりました。最近でも3次元データがいただける割合は受注全体の30%程度で「3次元化すると、こういう製品を作るためには、こうしたら良いですよ」と、提案ができる。それによって客先との信頼関係が厚くなります。最近では製品のアセンブリーモデルをいただいて、そこから当社で製作する板金ユニットを抽出してベースや周辺との組立性を考えながら設計を立ち上げていく依頼も増えてきました。7年前に当社で3次元設計を立ち上げることを決断、それを得意先に話をしたら、ちょうど得意先でも設計工数が足らないということと、当社の設計者に板金ノウハウを教えて欲しいという要望があり、設計者1名を1〜3年、研修に行かせました。...

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