〜特集:「製造からの3次元CAD」〜

3次元だから作業者が製品情報を共有化、ノウハウも蓄積
製造工程でミスが起きない設計ができる

(株)ワールド山内



注文は「断らない」
リニアドライブレーザマシンFOL-3015NT+LSC-3015FOL+LST-3015FOLリニアドライブレーザマシンFOL-3015NT+LSC-3015FOL+LST-3015FOL
 高品質・短納期・低価格への要求がますます厳しくなっている金属加工業界の中で板金加工をコアコンピタンスにお客さまからの注文を"断らない"ポリシーを貫くワールド山内。12業種200社以上もの顧客を抱える同社は、毎月100社を超えるお客さまから受注する多種多様な注文に応えるために、24時間フル稼働する生産システムの構築と、機械を停止させないために外段取り化を進めている。しかも、源流である加工データの品質を高め、3次元CADを活用してデータ段階で製造性を検証し加工しやすい、組立しやすい設計/加工データを作成するようになっている。受注した製品データ、2次元のCADデータや図面、場合によってはポンチ絵から3次元CADを使って製品をモデリング、製品の「見える化」を促進して、お客さまに積極的なVE/VA提案を行っている。現在はお客さまの90%は2次元のCADデータか図面で、建築金物関係からはマンガやポンチ絵のみしか提供されないケースもある。同社では、どんな単純な形状であっても、すべての2次元データ、図面、ポンチ絵をSheetWorksで3次元化、3次元化したデータで展開してブランク、曲げ加工用のCAMデータを作成してモノづくりを進めている。この3次元を活用したモノづくりシステムのおかげで、平均年齢25歳の経験の浅い社員でもミスのない作業が可能になっている。さらに、業種業態が異なる様々なお客さまで経験した新しい発想のモノづくりを提案するとともに、官学と連携し、特許を有するオリジナル製品、免震装置などの開発にも成功している。

加工情報と生産情報の一元管理
SheetWorksで設計して開発された免振装置SheetWorksで設計して開発された免振装置
 3次元だから作業者が製品情報を共有化、ノウハウも蓄積する。そして3次元だから、製造工程でもミスが起きない設計ができる。しかも、ワールド山内ではSheetWorksで作成された3次元データと受注データを一元管理することで見積りから負荷の山積、山崩しにいたる生産管理をWILL受注出荷モジュールで円滑に行う。材料費の高騰などで歩留り率が重視される板取りや工程間の仕掛品をなくすため、Dr.ABE_Blank-LaserやDr.ABE_Bendなどの全自動バッチCAMシステムを活用し歩留まり率の高い加工データやスケジュールの最適化を進めている。...

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