〜特集:「FPD製造装置業界の板金部材調達」〜

板金と機械加工を複合化

(株)エムズバンテック



最近のFPD事情
諸井 猛社長諸井 猛社長
 近年、薄型テレビ、パソコン用ディスプレー、携帯電話など需要が拡大。各メーカーはパネル増産や大型化に向けた設備投資を計画、反してFPDの低価格化が加速している。さらに大型テレビの出現でパネル自体が大型化、第8世代から来年には第10世代のパネルまでが製造されるようになっている。
 同社は1993年に創業、チタンやステンレスに関して高度なレーザ加工技術を礎に業績を伸ばし、12年後の2005年には大手企業の館林工場跡に移転、広い工場建物を活用することで売上の6割を占めているFPD製造装置メーカーの業績に連動して毎年売上を伸ばしてきた。現在、切断用レーザマシンとしてはアマダ製の6kW発振器を搭載したLC-3015θ2をはじめ9台のCO2レーザ、YLR-15002、YAGレーザ溶接ロボット3台、ネットワーク対応型ベンディングマシンFBD3-8025NT、自動倉庫MARSなど県内屈指の板金切削設備を有している。特にFPD製造装置の部品であるチタン製搬送トレイ・ホルダーの開発に参画するなどFPDの大型化に貢献している。
600個の部品を15時間で生産する600個の部品を15時間で生産する
 旺盛な設備投資をまかなう資金調達の一環としてABL(在庫が販売されて売掛金となり、売掛金が回収される過程のライフサイクルに着目し、在庫・売掛金を一体として担保取得し極度枠を設定するスキーム)を導入することにより、原材料、商品、売掛金(商流)を担保として商工中金や地元銀行が※シンジケート・ローン型ABL融資枠設定(動産譲渡登記制度)を活用したシンジケート(協調)ローンを平成19年3月に群馬県内の中小企業では始めて導入するなど先進的な経営にも取り組んでいる。
大型の五面加工機が整然と並ぶ大型の五面加工機が整然と並ぶ
 「ABLはコンスタントに流れているものに関しては有効ですが停滞しているものに対して活用度は生きてこない。昨年は6月以降、半年ほどFPD装置関係は設備投資が低調になり停滞していましたので、この方式での借り入れは当社にとってメリットはないと判断し昨年6月に完済しました。シンジケート・ローンは使っています」決断は早い。...

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