〜特集:「工作機械カバー業界の板金部材調達」〜

工作機械カバーを
3次元モデルから製作
『お見守りシステム』が生産性を改善

(株)小林製作所



生産量は1.5倍以上拡大
小林靖典社長小林靖典社長
 平成18年2月、創業85周年を期して金沢市内から現在地へ本社工場を移転した小林製作所の売上が好調である。5年続く工作機械への設備投資の好調を背景に県内2社の工作機械メーカーからの機械カバーの仕事が順調に伸びている。さらに、印刷機、半導体、FPD製造装置大手メーカー、コンピュータ・情報通信関連メーカーからの仕事も途切れることなく続き、2年前に比べると大幅な増収となっている。これは受注好調もさることながら、新工場に移転したことによって工場敷地面積が3倍に拡大、設備力が強化された効果が大きい。ブランキング工程に設備された9列8段の1枚取りに対応できるインテリジェント自動倉庫I-MARSと、連動する241型の金型交換装置を備えたシングルヘッドパンチプレスHMX-3510NT。自動ミクロジョイントバラシ装置MJC(ミイクロジョイントカッター)と自動でパレタイズ(仕分け)されたブランク材に製番を自動印刷するインクジェットプリンター(IJP)など、24時間連続稼動に対応した設備となっている。この他には、それまでに導入していた3次元板金ソリッドCAD、SheetWorksやAP100、それらで展開された属性入り展開図面や立体姿図に基づいて曲げ加工可否を行い、曲がると判断した製品の曲げデータを自動で作成するDr. ABE_Bend、そしてネットワーク対応型ベンディングマシンHDS-8025NT 2台、従来から同社の特長となっていた塗装ラインが前工程の無公害洗浄工程と粉体、溶剤の塗装ラインが環境にやさしい最新ラインに更新、加工から塗装までの一貫生産体制が強化されている。また、増産体制に伴い中国からの研修生15名、派遣社員を含め90名となった。これによって同社の月商規模も大きく改善した。

1枚取りに対応したMARSとHMX-3510NTの導入
70台のWebカメラが工場内の様子をリアルタイムに記録して品質管理をはじめとした安定稼働に貢献している。同社ではこのシステムを『お見守りシステム』と呼んでいる70台のWebカメラが工場内の様子をリアルタイムに記録して品質管理をはじめとした安定稼働に貢献している。同社ではこのシステムを『お見守りシステム』と呼んでいる
 同社が受注する1社の工作機械カバーは3機種分で月産台数では25〜30台。製品データは3次元CAD SolidWorksで作成されて、同社にはモデリングデータが送られてくる。しかしこのデータは板金定義が行われていないので社内のSheetWorksで改めて板金定義を行ってからバラし展開作業を行う。また、モデリングデータを使った組立検証などを行う場合もある。...

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