〜特集:「工作機械カバー業界の板金部材調達」〜
26年連続世界一 日本の工作機械業界は産業としては規模が小さいものの、1982年に米国を抜いて以来、2007年時点で26年連続生産額世界一の座を堅持している。電機や造船等では韓国、中国の追い上げが著しいが、高い精度・長期間のサポートが要求される工作機械業界では日本とドイツが生産額で世界第1位と2位を占めている。 日本の工作機械業界の強みは、 (1)開発力が高く、ユーザーの設計や素材の変更等にきめ細かく対応できる (2)サポート体制が充実している (3)製品・サービスを値ごろ感のある価格で提供できる ― などである。有力ユーザーである自動車メーカーに鍛えられたこと、終身雇用制で技能伝承がスムーズに行われたこと、日本製工作機械発展の原動力となったメカトロニクス技術、とりわけNC制御技術でファナックという巨人のNCサプライヤーに恵まれたことなども強みの背景にある。 主要ユーザーは自動車 工作機械の国内主要ユーザーは一般機械と自動車であり、この2部門で受注額の約4割を占めている。一般機械向けの中には自動車部品や金型加工用など、自動車関係からの需要が少なからず含まれるので、内需は自動車業界の設備投資動向の影響を大きく受ける。外需比率も6割を超えるまでになっており、海外の比率は高い。国別で見ると、従来は欧米が最大の海外市場だが、近年、中国等アジアや※1BRICs、※2VISTAなどの新興市場の比率が高まっている。日本工作機械工業会が発表した07年の工作機械受注実績(確報値)は前年比10.6%増の1兆5,899億9,100万円で過去最高となり、5年連続で前年を上回った。要因として米国を除く海外主要市場での需要拡大が押し上げた結果である。内需は重厚長大産業の設備投資に支えられ横ばいを維持した。... つづきは本誌2008年4月号でご購読下さい。 |