〜特集:「建設機械業界の板金部材調達」〜

建機各社、インド、ロシアでの生産を強化

06年比で2011年は2倍以上の伸びを予測



前年比50%で拡大するインドの建機市場
インドでの鉱山・建設機械の需要見通しを、06年を100とした時の09年需要の指数のグラフインドでの鉱山・建設機械の需要見通しを、06年を100とした時の09年需要の指数のグラフ
 高い経済成長を続けるインドでは建設機械に対する需要が前年比50%増と急増している。インドでは2007年から2011年までの第11次5カ年計画がスタートし、道路、鉄道、港湾などのインフラ整備のプロジェクトが拡大するとともに、鉱山需要が拡大している。そのため、同市場では油圧ショベルをはじめとし た建機需要が前年比30〜50%の勢いで伸びている。

 こうした中でL&Tコマツは、1月から大型機「PC400」(40トン級)の生産を開始、日立建機も合弁会社、Telco Construction EquipmentCo., Ltdへの出資比率を引き上げて経営強化を進めるとともに、第3工場の建設を計画している。L&Tコマツではインド工場が「09年度にはパンクする」ということで、能力増強や工場建設を検討中といわれる。こうした中、インド市場で先行するコマツ、日立建機を追い上げるため3、4位メーカーであるコベルコ建機、住友建機もインドへの進出を相次いで発表している。コベルコ建機は昨年7月にインドでの油圧ショベルの需要を取り込むため、伊藤忠商事との間で建設機械の販売・サービス事業を共同で行うことに合意し、合弁会社『KOBELCO ConstructionEquipment INDIA Pvt. Ltd』を設立した。
 また、住友建機は09年度中にインドに建設機械の新工場を建設する。設備投資は10数億円規模。また、部品の現地調達比率を高めるため国内協力工場にインド進出を要請する方針。新工場は親会社の住友重機械工業の減速機組み立て拠点があるプネのほか、デリー、チェンナイなどが候補地にあがっている。住友建機は09年2月に初の海外工場を中国に稼働。需要が拡大するインドにも工場を確保し、成長が期待されるインド市場でのシェア確保を目指す。同社は2008〜2010年度の3カ年中期経営計画で総額100億円超を投じ、国内外で開発生産体制を増強する。うち60億円以上を海外投資に振り向ける計画。インド工場では中・大型油圧ショベルを生産する。住友建機と住と重機械工業が連携して海外工場を建設する方針。また、住重は住友建機のインド工場建設に連動し、同一地域に減速機や射出成形機の新工場を建設する予定。住友建機は07年にインド市場に参入している。現地の油圧ショベルの需要は07年度が前年度比35.6%増の8,950台で、増加率は年30〜40%。同社は現地の鉱山開発(マイニング)需要の増加に着目。売れ筋の本体重量20トンの汎用中型ショベルではなく、マイニング向けに国内から35トンと40トンの大型機を輸出している。インド工場では20〜40トンクラスのショベルを生産する予定。一方、住友建機の中国工場(河北省唐山市)は09年2月の稼働と同時に、年間3,000台の生産能力では不足する可能性があることから、09年度中にも2期工事着工を視野に入れる。 さらに、国土が広大な中国で輸送効率を考えると、工場が1カ所では不十分との認識で、内陸部で第2工場を検討する。...

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