〜特集:「建設機械業界の板金部材調達」〜

建設機械製造業における中小企業の
役割と課題



第1章 建設機械製造業の概況と最近の動向
 建設機械業界は今、活況を呈している。2006年度の建設機械の出荷額は2兆円を超え、それまでのピークであった1990年度を上回った。この好調な出荷を牽引しているのは輸出の増加である。2005年度に輸出は1兆円を超え、2006年度には1兆3,407億円と、出荷の64%を占めるまでになっている。好調な輸出の背景には、先進諸国でビルやマンション建設といった都市型開発が進められていること、また、新興諸国においては大規模なインフラ整備や鉱山開発が進められていることから、建設機械に対する需要が世界的に拡大しているという状況がある。これに加え、日本の建設機械メーカーが、油圧ショベルを中心に高い国際競争力を獲得していることも見逃せない。建設機械業界はコマツや日立建機をはじめとする大手セットメーカーの他に中小企業の果たす役割も大きく、建設機械部品出荷額の中小企業のシェアは7割を占める。(図1)

生産・出荷動向
図2図2
1.近時の生産・出荷状況
 建機の生産・出荷は、国内需要が伸び悩む一方、好調な海外需要に牽引され、増加している。国内需要はバブル経済崩壊後に急激に縮小した。景気回復とともに1994〜1996年度において出荷額は増加に転じたが、1997年度以降には景気の後退とともに再び減少に向かった。2003年から増加局面に入るものの、その金額水準は依然低く、2006年度の出荷額は1990年度の約48.9%。海外需要は2000年までの出荷額は4000億円前後で推移していたが2005年は外需だけで出荷額が1兆円を超えた。(図2)...

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