〜特集:「建材業界の動向」〜

建築用工業製品のプロバイダー
「多品種少量・受注生産」の玄関ドア

YKK AP(株)東北事業所



建築用工業製品としての位置づけ

東北事業所内のショールーム
東北事業所内のショールーム

 YKK APは、ドア・複層ガラスなどの一般住宅用建材、室内ドアからフローリングまでのさまざまな木質インテリア建材、金属系外装材や窯業系外装材、屋根材までの建築用工業製品のプロバイダー。技術力・販売力・提案力、さらには海外での実績をベースに窓とともに、窓に関わるさまざまな商品群を総合的に供給する建材メーカーとなっている。窓に求められる機能や品質を事業所で生産し、メーカーによって保証される建築用工業製品として位置づけ、クルマを選ぶように選ばれる市場型商品としての「窓づくりNo.1」を目指している。

住宅建材事業部製造供給部 東北エントランス製造部佐藤充宏部長
住宅建材事業部製造供給部
東北エントランス製造部
佐藤充宏部長

そのため、同社では建築用工業製品をはじめビジネスに関連するすべての活動に、高いクオリティを追求している。ユーザーの要求を満足する性能やデザインなど「モノ」としての品質はもちろん、「イメージ」としての品質、また時代を先取りし新たな提案を行う「アイデア」の品質、さらにユーザーニーズに合わせて商品を開発・製造する「スピード」の品質、そして、何よりユーザーに喜んでいただける商品を製造する「安心」の品質などを同時に求めるモノづくりを進めている。

東北事業所総務課高橋廣行課長
東北事業所総務課
高橋廣行課長

そうした同社のモノづくり拠点のひとつが昭和49年(1974年)に宮城県大崎市三本木に建設された東北事業所。「当初はアルミサッシの工場としてスタートしましたがその後、東北という地域性を勘案して、断熱というキーワードで商品開発を進め樹脂サッシ、複層ガラスなどの寒冷地向け商品やエクステリア商品、木質インテリア商品を生産する東日本最大の建材専門事業所となっています。外壁を除く、家一棟分の建材がここで生産されており、富山県黒部市にある“総本山”拠点に次ぐ2番目の規模の事業所となっています」(高橋廣行東北事業所総務課長)。

農工共栄を図る

デュガード[MD型]ドア
デュガード[MD型]ドア

事業所内には190,000m2に及ぶ緑地帯と10,000m2の水公園、20,000m2の総合グランドを配して、周辺の田園風景にとけ込んでいる。地域との環境バランスに配慮するとともに農工共栄を図っており、平成17年には「緑化推進運動功労者内閣総理大臣表彰」を受賞している。排水処理にも最高の設備と技術により公害防止を徹底している。また事業所に併設してP-STAGE(プレゼン・ステージ)東北が併設、同事業所で製造する住宅用各種建材部材を展示、コミュニケーション基地としての役割も担っている。...

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