〜特集:「建材業界の動向」〜

鋼材価格の高騰と
改正建築基準法の影響が心配
安全、安心の確保に対応する※CP部品認定が課題



19年の住宅着工は前年比2割ダウン

図1
図1

国土交通省が昨年12月に発表した2007年11月の新設住宅着工戸数は前年同月比27.0%減の8万4252戸となった。耐震偽装の再発防止のため、6月20日に建築確認を厳しくした改正建築基準法が施行されて以来、5カ月連続で2ケタ台の大幅な減少率を記録している(図1)。特にマンションは6割超の減少率となるなど大規模物件の回復が鈍く、先行きに対する不透明感が強い。

入る時も出る時も「引いても押しても」開くドア「ヒクオス」 (文化シヤッター)
入る時も出る時も「引いても押しても」
開くドア「ヒクオス」 (文化シヤッター)

11月の着工戸数は季節変動による影響を除いた季節調整値(年率換算)でみると、97万1000戸。建築確認を厳しくする前の半年間の平均(約120万5000戸)より2割強も少ない水準に止まっている。ただ9月を底に2カ月連続で前月比プラスとなるなど底入れの兆しも見えてきた。内訳をみると、小規模物件の多い持ち家が7.6%減と減少率下げ止まりを見せる一方で、大規模物件が多いマンションは63.9%減と依然、大幅な落ち込みが続いている。着工戸数の先行指標である建築確認の終了件数でもマンションなど大型物件は17.7%減と2ケタ台の減少となっている。一方、持ち家などの小規模建築物は5.5%減と、ほぼ法改正前の水準に戻っている。大規模物件の回復が鈍い背景には、建築確認の審査の違いがある。

ドア (YKK AP)
ドア (YKK AP)

小規模物件と異なり、安全性などについて専門家の二重チェックを受けなければならない。しかも、確認申請後の設計変更が厳しく規制されるなど、審査の厳しさから申請に慎重になる業者が増えている。大規模物件の着工件数が大幅に減少することによって建設関連業界にも大きな影響が出始めおり、受注減で経営が行き詰まる建設業者も出ている。日銀の12月の企業短期経済観測調査(短観)でも建設関連の業況判断は軒並み悪化。改正建築基準法の混乱は景気全体に影響が広がり、一部には『官製不況』などという声も広がっている。 ...

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