〜特集:「航空機業界の板金調達」〜

民間・政府管掌分の航空機部品を作成
最上級の要望を満たした2次元レーザ加工機LC-3015θシータに期待

有限会社金属考房ゆう



桑田金属製作所からレーザ部門が独立

LC-3015θのテーブルが付いていない状態での作業
LC-3015θのテーブルが付いていない状態での作業

 航空機や鉄道車両、移動体通信の中継ボックスなどを手がける株式会社桑田金属製作所(社長・桑田康彦、大阪市東成区神路3-2-8)の第三製造課のレーザ加工部門が分社独立、12年前に桑田金属製作所に入社しレーザの責任者だった牧浦博之さんが専務として工場経営を任された。当初はレーザマシンで切断だけに特化していたが、付加価値を上げるために板金加工分野にも事業を拡げ、溶接、曲げなどの設備も導入、親会社である桑田金属製作所の応援も得て板金の技術も獲得していった。75年以上の社歴を持つ桑田金属製作所の歴史と技術的な資産を背景に、取引先だけは『誰でも知っている大手』と取引したいと当時、35歳の牧浦専務は東奔西走する。

『まいど1号』からの縁

シェルターの扉の製作
シェルターの扉の製作

 「今でこそ、新明和工業航空機事業部、ダイキン工業化学事業部、東邦化成、大阪車両、クボタ、日伸工 業様など在阪の大手メーカーと取引をしていただけるようになりましたが、これも最初は東大阪市宇宙開発 協同組合の中小製造業者が集まって自前の人工衛星『まいど1号』を打ち上げようとする活動の中心推進者、 (株)アオキの青木さんの伝からです。当社はレーザを中心とした板金加工全般、アオキさんは機械加工で『まいど1号』を推進中に当社とも融合するようになりました。そんな関係で忙しい青木さんから、新明和工業 から受注したユニバーサル・スタジ航空機業界の板金部材調達ジオ・ジャパン(USJ)の空中アトラクション・シープレーンの話が来て、板金部品を手伝うようになりました。その後、青木さんもお忙しくて当社の板金部門まで目が行き届かないから、ということで、新明和工業と直の取引ができるように道筋を付けて くださいました」。しかし、新明和工業の航空機事業部のハードルは大変高い。そこで同社の子会社である 新明和エアクラフトエンジニアリングという周辺機器を作っている会社と取引を開始した。続いて愛知万博 にJR東海から会場内を移動するランチャーが走るレールを受注、3カ月くらいかかって12名の社員が徹夜で加工して納めた経緯がある。
 「新参者がいきなり大きな仕事をやらせていただく、ということは他社とは差別化できるアマダの3次元CADが大きくモノをいいました。最初はミニチュアで試作品を出し、8回目にやっとOKがでました」。その当時、突貫で工期を守り、開催に間に合わせた協力工場4社とともに、同社の社名が頭にある表彰状を授与された。
 2006年12月には新明和エアクラフトエンジニアリング社が新明和に吸収合併され、直接取引が開けていった。...

つづきは本誌2007年12月号でご購読下さい。