〜特集:「航空機業界の板金調達」〜

航空機内装品の仕事が大幅に拡大
ギャレー、ラバトリー関連の部材を加工

新日エコー株式会社



拡大する航空需要に対応した次世代機の開発競争

ギャレー部品
ギャレー部品

 世界経済の拡大に伴って人や物資の往来が活発化することによって航空需要も拡大している。航空燃料の高騰という課題はあるものの、航空旅客の拡大を図るため欧米では低価格を売り物としたエアーラインが立ち上がり航空業界は今後も航空旅客の拡大と航空貨物需要が拡大していくものと見られている。航空需要の拡大に伴って大量輸送に対応した大型機やきめ細かな路線を拡大するため90〜120名前後の旅客を対象とした小型機や200名前後の旅客を対象とする中型機などの機材と、高騰する航空燃料や地球環境への対応を考えた燃費を改善したエンジン、軽量化された機体を備えた旅客機に対する需要が世界的に拡大している。現在大型機から中・小型機までの航空機に対応できる能力を備えた航空機メーカーとしてはボーイング社(USA)とエアバス・インダストリー社(ヨーロッパの国際協同会社・本社はフランス)の2社が市場を二分している。各社とも拡大する航空機市場を見越し、ボーイング社はジャンボジェット、ボーイング747型機に引き続いて開発してきた757、767、777型機に続く次世代機としてボーイング787型機を08年度中に就航させることを目指して開発・製造を進めている。今回の787型機の開発に当たってボーイング社はリスク回避もかねて航空機の主要部材の70%を世界中のサプライヤーから調達することを発表している。中でも軽量化に欠くことのできない炭素繊維材料の開発では世界トップを走る日本企業とのアライアンスを重視、部材の35%を日本企業から調達する。また、エアバス・インダストリー社もエアバス350Aを発表しているが就航開始は787型機よりも若干遅れるといわれている。

35%が日本製になるボーイング787型機

VIPROS Z-358NT+MP-1225
VIPROS Z-358NT+MP-1225

 ところで、エンジンを除く787型機の主要部材である機体本体や翼などの構造部材の製造にも日本企業が活躍している。その代表的な製品が※1ギャレーや※2ラバトリーである。ギャレーは※3CAが旅客に食事や飲み 物をサービスするために活動する厨房施設。もともと航空機だから加熱するために直火を使うことはできな いが、あらかじめ地上で調理された食材を保温、保冷して食事の時間にオーブンで温めしなおして、配膳用 のカートを使ってサービスする。また、コーヒーなどの飲物はコーヒーメーカーで落としたコーヒーをはじ め、保冷された各種の飲料をサービスする。そして食事が終われば食べ残しを含めてカートで回収後に再び ギャレー内に収納する。いわば空を飛ぶ厨房とでも言うべき役割を果たさなければならない。さらに旅客や クルーのためのラバトリーも重要だ。長時間移動を余儀なくされる機内で、限られたプライベート空間であるラバトリーの快適さは重要なサービスとなる。今回ボーイング社の787型機に使用されるギャレー・ラバトリーのオフィシャルサプライヤーとして指定されたのが株式会社ジャムコ、そして同社の有力な協力工場が新日エコー株式会社である。...

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