〜特集:「航空機業界の板金調達」〜

発注情報、製品情報の可視化ネットワークをSCMの中核に考える
航空機内装品のトータル・インテリア・インテグレーター目指す

株式会社ジャムコ



航空機需要は年率5%で上昇

ラバトリー(化粧室)。ドアを開けた状態
ラバトリー(化粧室)。
ドアを開けた状態

  世界の航空機需要は毎年5%内外の伸びで確実に伸びていくことが予想されている。世界のエアーラインの競争は益々激化し、あらゆるコストの削減と他社とのサービスの差別化が進められている。航空燃料が高騰する中で、コストセーブと多様化する旅客の要求を満足し快適な空の旅を演出する客室内装の創出という要望に応えるために、全てのキャビンインテリアを一括供給できるサプライヤーとして世界的なメーカーに発展しているのが株式会社ジャムコである。新造機や既存の機体を改修して客室内をリフレッシュするとい うエアーラインのニーズに対応するため同社は航空機内装への対応をソリューション事業と位置付け、レイ アウトデザインから航空局の承認まで全ての内装品を一括して提供できる「トータル・インテリア・インテグレーター」への脱皮を事業ビジョンに掲げている。

787型機の内装品を一括供給

ボーイング777
ボーイング777

  同社にとって大きなインパクトとなったのは、ボーイング社が次世代の広胴中型機として2008年度から の就航を予定する787ドリームライナーの機体に搭載されるフライト航空機業界の板金部材調達デッキ(操縦室)内装パネル、操縦室ドア、※1ラバトリー、※2ギャレーなど多くの内装品の単独一括供給契約を締結したことである。787ドリームライナーは10年ぶりにボーイング社が発表する次世代中型機で在来機に比べて燃費効率を20%以上改善すると期待されている。軽量化に取り組むため機体の製造に関しては70%近くを、海外メーカーを含めた約70社に担当させる国際共同事業で行われている。これによって開発費を分散して負担できると共に、世界中の最高技術を結集した機体を製作しようとしている。そのサプライヤーとして主要な内装品を一括して供給する契約締結に活気付いている。
元々、航空機の整備事業から始まった同社が全日本空輸鰍ゥらボーイング727用8機分、737用3機分のギャレーおよびインサートを受注したことにより大型機用各種内装品の開発・製造に移行。以来半世紀に亘ってギャレー、ラバトリーをはじめとした航空機内装品を製造するようになった。...

つづきは本誌2007年12月号でご購読下さい。