〜特集:「鉄道車両の板金部材調達」〜

受注の5割以上がアルミ車両部品加工
発注形態が大きく変わる

株式会社アクシス


新幹線車両の更新は18〜20年サイクル
古田陽介課長  7月1日からJR東海、西日本の両社は東海道・山陽新幹線でN700系による営業運転を開始した。N700系は日本の基幹をなす高速大量輸送機関として21世紀にふさわしい新幹線を目指し、2002年6月よりJR東海、西日本が共同で開発を進めてきた。700系をベースにしつつ、速達性、快適性、環境性能、省エネルギー化などあらゆる面でグレードアップを図り、次世代新幹線と呼ぶにふさわしいハイテク電車となっている。スタート当初は1日に上下で計8本を運転するが、今年度末には30本以上の「のぞみ」がN700系での運転となり、来年度中には「のぞみ」型車両の大半がN700系に変わり、従来の700系は「ひかり」「こだま」用車両となり現在「ひかり」「こだま」用として使われている「300系」は徐々に姿を消すことになる。

1,328両が製造された700系
新幹線車両部品イメージ  1990年に投入された「300系」はJR東海、西日本でそれぞれ61編成976両、9編成144両の合わせて70編成1,120両が製造された。また、99年に投入された700系はJR東海が60編成960両。西日本が「のぞみ」用15編成240両、「レールスター」用として8両16編成128両の368両。合わせて1,328両が製造されている。300系が運転を始め700系が登場するまでの期間が9年。700系が投入されN700系が投入されるまでの期間が8年と、概ね8〜9年サイクルで新幹線車両は新型車両が投入され、18〜20年で更新するというサイクルが定着してきている。従来の鉄道車両の更新サイクルは30年以上というのが一般的でそのために丈夫で長持ちする車両が求められていた。しかし、国鉄が分割民営化されJRが誕生した以後は、乗降客の利便性と旅客需要の拡大、特に航空機需要が拡大する中で航空機との旅客争奪競争が激化、スピードはむろん、乗り心地などの快適性や社内的なニーズである省エネ対策などが車両に求められるようになり、車両の更新サイクルも短縮する傾向が顕著になっている。このため、N700系車両の主力製造メーカーである日本車両、日立製作所などは増産体制を強化している。

日立は車両工場を増設中
 日立製作所は、海外、国内での鉄道車両の受注増加に対応するため、山口県下松市の笠戸事業所敷地内に車両の内装工場と台車の製造工場を新・増設している。英国で運行する 高速通勤車両170両と、JR東海、西日本のN700系新幹線車両15編成、240両を受注したのをはじめとして ...

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