〜SHEET NOW〜

生産性は従来の2.5倍会社の変化点となった
シングルパンチプレスHMX-NT 機の導入

アイラ工業株式会社


受注環境が激変
AP100による展開プログラム作業  精密板金、プレス部品、金属機械加工品の製造、ねじ類全般の販売を行う同社は富士電機リテイルシステムズ社の自販機部品から松下エコシステムズ社の換気扇、レンジフードなどの板金部品など20社あまりの得意先から仕事を受注している。同社の本社工場がある春日井市周辺は工作機械大手の工場が集中、工作機械カバーなどの板金加工が盛んな土地柄だが、同社は自販機や換気扇、半導体製造装置、ゲーム機などの板金を受注している。しかし、自販機業界は自販機設置台数が頭打ちとなった成熟市場となっている。ロット数の大きな製品については内製化が進み、プレス加工品の多くは人件費の安い中国へ生産がシフトされてしまう。同社を含めた板金サプライヤーへはロットが小さく、計画生産の枠に入らない特急、割り込みの多品種少量生産品が発注されるケースが増えている。しかも発注量の減少に加えて加工コストも厳しく抑えられるようになって、ここ数年の受注環境は激変、厳しい状況が続いている。地元で好況が伝えられる自動車、工作機械業界との関係が薄いため、自販機や換気扇などに加えて生ゴミ処理装置やゲーム機など幅広い業界から仕事を集める努力をしている。受注環境の激変に対応して従業員も3割削減、身の丈にあった企業体質強化に努めている。

身の丈にあった企業体質
ATCツールマガジンには現在150本の金型を保有している  自販機に使われるパネル系製品の加工に対応するため設備していたパンチ・シャー複合マシンも仕事量が減少するとともに、納期を優先して仕事をすると歩留まり率が下がり、残材量が増えていくようになった。そこで歩留まりを考慮して材料を使うようにすると、今度は納期が先の製品を一緒にネスティングして不要な在庫を発生させるということが起こってきた。しかも、必要なモノを必要な時に、必要な数だけ作るというJIT生産に対応するため、シート加工を止めてスケッチ材加工に切り替えると材質、板厚ごとにスケッチ材の種類が多くなって、 ...

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