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アルミ車両の接合に採用される摩擦攪拌溶接-FSW




英国溶接研究所で開発
 TWI(The Welding Institute:王立英国溶接研究所)によって開発された摩擦攪拌接合(摩擦撹拌接合、Friction Stir Welding)は、先端に突起のある円筒状の工具を回転させながら強い力で押し付ける事で突起部を接合させる部材(母材)の接合部に貫入させ、これによって摩擦熱を発生させて母材を軟化させる。と伴に工具の回転力によって接合部周辺を塑性流動させて練り混ぜる事によって接合させる新しい固相接合技術である。溶融凝固に伴う溶接変形が発生しないので、溶接変形の小さい接合品が得られる。さらに溶融溶接で見られるブローホール、割れ等の欠陥が発生しない、熱影響が小さい等により、強度の高い継ぎ手を得ることもできる。接合できる部材は軟化温度が比較的低い軽金属が多く、アルミニウム合金では、非熱処理型アルミニウム合金の1000系、5000系への適応例が多い。こうした合金以外にも、難接合材の熱処理型アルミニウム合金の2000系、6000系、7000系、鋳造材のADC12などへの適応例も報告されるようになっている。アルミニウム以外では、マグネシウム合金のAZ31、AZ61、チタンとその合金、銅とその合金、軟鋼、亜鉛、鉛、プラスチックスなどでも接合可能という。 ...

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