〜SheetMetal World タイ板金事情〜

エアコン、自動車部品で85%、食品・情報関連の板金が15%
今期売上は110億円以上を見込む

SPEC SNC FORMER PUBLIC CO.,LTD



タイバーツが急騰
ソムチャイCEO  自動車産業をはじめ家電、エレクトロニクス産業などを中心に日本、韓国、欧米の外資はタイへの積極的な投資を継続しており、経済成長が続いている。しかし、97年7月に起こったタイバーツ(Baht)の急落による信用収縮によって始まった世界同時不況の苦い経験があるだけに、タイ経済の将来は必ずしも楽観視されているわけではない。特に、好調なタイ経済を反映してタイバーツは年初来外国為替市場ではドルや円に対して高値で取引されて、円に対しては年初からすでに17%程度、バーツ高で推移するようになっている。1年前は1バーツ、3円が目安だったが今では3.9円のバーツ高となっている。このため、鋼材をはじめとして生産に必要な日本からの輸入資材や機械設備などはバーツ高で安値感が出てきて輸入量が増えるようになっているが製品輸出に際しては価格競争力が低下、タイ企業の収益構造を圧迫するようになっている。国内ではバーツ高は行き過ぎだといった声も出ているが、タイ経済を底辺で支える華僑経済の実態を考えると「中国元」に連動してタイバーツの高値はここ当分続くという考えが順当となっている。その上でこれからは日本、韓国などとの競争に勝ち残るため、徹底したコストダウンと品質の向上を進めなければならないと考える経営者が増えている。

量産の仕事はインド、ベトナムへ移転
 国際化が進む中でタイへの工場進出の魅力となっていた安い人件費のメリットは次第に薄れてきているのも事実。特に日系企業の中には「1バーツが2.7円から3円くらいまでなら魅力があったが4円に近づくようになっては人件費だけを考えたタイの魅力は薄れた。量産工場は人件費が安い、インド、ベトナム、カンボジアなどへの移転を考える必要が出ている」として生産拠点をベトナムなどへ移転するタイ進出企業も見られるようになっている。

今期は2004年の売上の3倍を見込む
曲げ加工工程順に並ぶネットワーク対応ベンディングマシン 経済の大きな変動の中で1994年に創業され、2004年にタイ株式市場へ上場。2007年の売上高が前期比50%増の110億円を予測しているのが今回取材に訪れたSNCフォーマーである。カーエアコン部品と家庭用のエアコン部品を製造し、特に自動車、家庭用に使われるエアコン、コンプレッサーに使われるアルミニウムや銅製の鋼管を製造しており、取引先はタイに進出している富士通ゼネラル、日立コンプレッサー、松下電器、シャープ、デンソー、昭和アルミ、ダイキン、三菱電機、韓国LGなど日韓の企業が多い。株式上場した ...

※ 1バーツ(Baht)=3.9円(07.7.22現在)

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