〜特集:「配電制御設備業界の板金部材調達」〜

デジタル・エンジニアリング導入による新しい経営システム
技術系人材の育成を目指す教育プログラムの
ケーススタディーにデジタル板金を活用

山口大学大学院技術経営研究科研究科長 上西 研教授



西日本唯一のMOT専門職大学院
山口大学大学院技術経営研究科研究科長 上西 研教授  西日本唯一の技術経営(MOT;Management of Technology)専門職大学院である国立大学法人山口大学大学院技術経営研究科はイノベーションを目指す企業における「技術マネジメント専門家」を育成するために、技術を経営に生かすための理論や手法を学ぶ専門職大学院として平成16年度に設置認可された。2年間で定められた課程を修了すると技術経営修士(専門職)の学位が授与される。1学年の定員は15名で現在、2、3期生で合計45名が在籍。教育内容については社会人学生からも高い評価を受けている。
同研究科では西日本唯一のMOT専門職大学院という特長を生かし、平成17年より中国地域を中心に西日本でセミナーなど、MOTに関する各種の普及啓発事業に取り組んでいる。これまでの活動の結果、産業集積度の高い広島や北九州では企業や組織で働く社会人の間でMOT教育に対するニーズが強く存在するもののMOT教育を体系的に実施できる教育機関が少ないことから、19年度には同研究科に所属する専任教員が交代で広島市と北九州市にある教室に出向いて講義や演習を行い、常盤キャンパスと同じ内容の教育が受けられるようになった。

教室と経営体の融合による教育
アマダ・ソリューションセンターでの講義風景 同研究科では、技術経営に関する教育を行うとともに地域連携への取り組みの一環として以下のような地域産業の基盤を担う研究テーマを持っている。
@単独テーマ…「教室と経営体の融合による技術経営教育」
本プロジェクトは、モノづくりの基盤であり、地域企業からの教育ニーズの高いデジタル・エンジニアリング(DE:製品の設計から製造までの全工程を3次元データで一貫処理する高度情報化製造技術)を具体例に、大学院の教室と経営体(経営・製造・研究現場)とを融合した実体験環境において、技術経営教育を行うものである。経営体との双方向の実践演習には同大学院が開発した衛星中継などによるマルチチャネル教育支援システムを活用する。
A共同テーマ…「MOT協議会における教育推進プログラム」
MOTの専門職大学院で構成する技術経営系専門職大学院協議会(MOT協議会)の参加全大学院に ...

※ MOT(Management of Technology)とは一般に技術経営と訳され、経済産業省によれば、「技術に立脚する企業・組織が持続的発展のために、技術が持つ可能性を見極めて事業に結び付け、経済的価値を創出していくマネジメント」とされています。
つまり、技術を効率的に活用して企業経営に役立てようという考え方と理解してよいでしょう。ー 同大学院 技術経営研究科の用語集 より

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