〜Industrial Trend 〜

2006年の建造量は31年ぶりに過去最高を更新
3年以上の手持工事量を確保

日本造船工業会



造船メーカー大型投資を相次ぎ発表
 日本の造船業は、活発な海上荷動きによる堅調な海運市場に支えられて、高水準の受注と建造を続け、3 年以上の手持工事量が確保されている。需給バランスを反映し船価も値戻しするようになり、厳しかった採算面にも改善が見られるようになっている。新聞報道によれば造船各社では新規投資を中止してから久しぶりの大型投資を相次いで発表している。海外の船舶需要が大幅に伸びていることや、造船産業の構造改革による生産性向上、円安などを追い風に向上している船価競争力をさらに改善することを計画している。三菱重工業は現在抱えている船舶受注量を解消するため2010 年までに既存の造船所に400 億円の投資を実施し、現在年間156 万トンの船舶生産量を10%以上増やすことを計画している。また、石川島播磨重工業(IHI)は愛知県内の造船所の操業を年内に再開し、日本国内だけで造船所計3 カ所を稼動させる。IHI は中国が割安な価格で既に市場を握っているバラ積み船(穀物などの比重の小さい粉流体の荷役のための専用設備を持つ船舶)や、現代重工業・サムスン重工業・大宇造船海洋といった韓国の造船大手が得意としている液化天然ガス(LNG)タンカーの生産再開も計画している。日本の造船産業が急速に競争力を回復しつつあるのは、韓国などと比べ30%以上高いといわれていた日本の建造費が韓国の賃金上昇やウォン高、さらには30 年以上続いて ...

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