〜特集:「農業機械の板金部材調達」〜

3次元CADを使った魅力ある製品つくり
サプライチェーンによる板金調達

 株式会社山本製作所東根事業所



顧客満足度の改善を目指す
山本製作所生産本部製造部本橋一男部長  来年に創業90周年を迎える同社は米の収穫後の乾燥調製から農産品加工、流通に至るプロセス「※1ポストハーベスト」の領域で、生産者のよきパートナーとして安全で安心な農産物を提供するための研究、(省力化、合理化、効率化)を実現する多彩な機器・システムを開発・製造する専門メーカー。わが国の農業は大きな転換期を迎え、新農政指針による※2経営所得安定対策大綱の施行に伴い、 国内農業は一層の集約化と競争原理の導入が図られようとしている。こうした中で同社は、顧客満足度を重視し国内シェアートップである乾燥機を中心とする主力商品のラインアップを強化し、毎年新商品を市場に投入する魅力ある商品開発を進めている。今年、東根事業所に完成した技術棟に移動した技術部は2002年頃から3次元CADシステムSolidWorksを活用した新商品開発を進め、現在までに導入したライセンス数は数10セットに及んでいる。設計のみならず、モデリングした製品モデルから機械加工用、板金加工用のCAMデータをダイレクトに作成するCAD/CAMシステムまでを構築。板金加工用にはアマダの3次元板金ソリッドCADシステム、SheetWorks for Unfoldを導入、試作品加工の展開に活用、開発リードタイム短縮に役立たせている。食の安全と安心を見据えつつ、生産現場から食卓まで一連の幅広いステージの中でこれまで培った技術を更に活かした産・学・官の提携による研究・開発によって新たな製品やシステム商品を開発、創業以来の「進取の精神」を受け継いでいる。
 各種統計を見ると農業機械市場は縮小傾向にあると言われているが同社は既成商品の強みを活かしながら大規模農家や営農集団に新システムの提案を繰り広げている。また、環境関連商品や米関連の食品部門の拡充を図るなど新たな分野への事業展開を積極的に進めている。

産業ロボット、NC機械を主体とした生産設備
FBD3-8025NTとHDS-8025NT  東根事業所は山形県東根市大森工業団地内の最南部(敷地面積65,827u)に建設された山本製作所の生産拠点。産業ロボット、NC機械を主体とした生産設備と柔軟性と効率性の高い製造ライン、無公害・節水型の塗装(粉体)システム、作業者1人ひとりに無線LAN対応の携帯端末を持たせバーコード付きの作業指示書(現品票)をスキャンすることで着手・完了情報をリアルタイムに吸い上げ、生産のムダ、ムリ、ムラを排除したJIT生産を目指している。工場内は天井部を高くし自然採光を取り入れるトップライト方式、輻射熱による熱暖房など、省エネを支援している。さらに ...

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