〜特集:「農業機械の板金部材調達」〜

日本の農業を支える農業機械
「食」の安全・安心を目指すメーカー



生産性が低下する日本
 日本の全産業に関した生産性は国際的に見ても中位程度で決して高くはない。特に農業・漁業などの第一次産業、サービスなどの第三次産業の生産性がかなり低いと指摘されている。一方で自由化にともない、経済は規制緩和をはじめとして様々な分野で構造改革が進められ、メガコンペティション時代に対応した競争力を身につけている。しかし、生産性が低く国際競争力が低下している日本の農業に対しては国際化が遅れている。そんな中で※1WTO農業交渉やアジア諸国との※2FTAなど国際的な交渉が本格化を迎える中で、農林水産物の輸出に向けた取り組みを積極的に行う動きも見られるようになっており、農業も産業界同様に内外から構造改革が求められている。

税制や補助金などを使い「食」をまとめる
 政府も日本農業の抜本的な構造改革を進めるため新たな「食料・農業・農村基本計画」を策定し、重点的に取り組む課題や施策を行うようになっている。こうした変革に的確に対応し、農業経営の新しい可能性を目指し、食の総合産業としての農業経営の魅力を引き出し産業としての発展を目指すため、各種の営農集団や農業法人が結成され、大規模農家が誕生するようになっている。
 「食」に関してはBSEや鳥インフルエンザ、農産物・食品の偽装表示問題等の発生、遺伝子組替えによる食への不安など、農業関係者や消費者に大きな不安を与えている。こうした事態に対し農業に従事する農家や法人が「食の安全・安心」の確保に取り組むとともに、国内自給力の向上や食料の安定供給を確保するとともに、消費者等への正しい情報提供等の対応に積極的に取り組み始めている。 ...

※1 WTO(World Trade Organization)の略。1995年に発足、2000年5月現在136カ国が加盟。自由貿易促進を主たる目的として作られた国際機関
※2 リスク分析- 工学におけるリスク分析の手法のひとつ(event tree analysis)

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