〜Industrial Trend 〜

中国、インド、パキスタン向け輸出で
生産を維持する繊維機械業界



国策として発展した繊維機械
 人間の生活に欠かせない「衣」。図は経済産業省の機械統計月報から繊維機械の生産・出荷動向をまとめたものだが、最近の動向をみると、依然としてアジア向け、中でも中国、インド、パキスタン向け織機の受注が堅調に推移していることで、生産・出荷は微増傾向にある。特に中国のLC(信用状)開設が昨春以降、順調に進んでいるのに加え、インド、パキスタンなど、中国に次ぐ市場の開拓が成果を上げているためだ。

昨年前半から生産は増加に転じる
 繊維機械のなかで主力商品の織機を例にとると、06年1 〜 9 月の輸出累計は1 万1824 台、400 億5200万円(財務省貿易統計、表参照)で、台数では前年同期に7.6%及ばなかったものの、金額では9.3%上回った。中国は台数で18%減っているが、インド、パキスタンなどが大幅に増加。中国の落ち込みをカバーした。これに対して、国内向けは1 昨年から昨年前半にかけて、久しぶりに回復したものの、その後は一転低迷している。カーシート、エアバッグなど、自動車関連の産業資材分野を除き、繊維機械に対する設備投資意欲は冷え込んだままとなっている。機種別で見ると、エアジェット(AJ)織機が順調に回復しているのに対し、 ...

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