〜特集:「食品機械業界の板金部材調達」〜

「焼き」のベストソリューションを提案
加工原価の80%を占める板金加工はデジタル板金

 株式会社久電舎



オンリーワン・オーブンを開発
小川正治社長,小林和男常務取締役,横溝稔幸課長  創業84年の業務用オーブンメーカー。オーブンに特化し、一味違う「焼き」にこだわり、あらゆる種類のオーブンを100%受注生産・社内生産で提供。スチールベルト(スウェーデン製)、バーナー(アメリカ製)、センサー(ドイツ製)など「焼き」にこだわり採用している欧米の優秀な部品を除くと、設計から加工、組立、検査まで一貫した品質管理体制でお客さまニーズに迅速に対応している。バブル崩壊を機にそれまでの製菓・製パン業界市場から外食チェーン、食品会社、ホテル業界等幅広く展開し、オンリーワン・オーブンの提供を目指している。
 先代が発電機モーターの再生・販売とオーブンの製造を手掛け、根っからの技術屋で、「何か1つ作ると、すぐまた新しいものを作るような人でしたが、開発力は確かなものがありました」(小川正治社長)。オーブンの製造は地元の菓子屋さんからの依頼によるもの。たかがオーブン、されどオーブンで、技術を追求していくとなかなか奥が深い。結果としてカステラ専用オーブン、自動温度調節式のトンネルオーブンや固定オーブン等の国産第1号機などを次々と開発していった。バブル崩壊後は食肉、レストラン、ホテル、厨房など食品に関する市場全般へフィールドを広げた。日本食品機械工業会の統計データによると、食品機械業界は年間で4,600億円規模の市場で、オーブンの市場が200億円くらい。その市場に40社もの企業が参入する激戦区。同社はオーブンのノウハウ、「焼き」をもっと活かして、食品市場全般に進出した。

「焼き」をブランド化
HDS-8025NTによる曲げ加工  「焼き」という文字を商標登録、「“焼き”のベストソリューション」を食品市場に提供するという提案型ビジネスを展開。九州の「久電舎」では全国のお客さまに信頼と安心をお届けするのが難しいと判断、本社を東京へ移転し久留米を本店とした。以後、国際食品工業展や展示会やイベントなどに参加、「焼き=久電舎」というイメージを植えつけた。「一言で「焼き」といっても、熱風、上火・下火、遠赤外線など様々な焼き方があり、当社が最初に開発、設計を手がけたのがピザ用オーブンです。それまではほとんどがイタリア製でしたが当社製の評価が高まり、今ではレストランチェーンや大手フランチャイズ展開店などから指名が来るようになりました。日本人は ...

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