〜Technical View〜

板金の表面処理技術



板金塗装ライン  塗装には刷毛やロールなどを用いて被塗物に塗る、押しつけ法、塗料漕へ被塗物を浸すディッピング等の浸漬形塗装、塗料を空気や電気的力等で霧化してスプレーなどで吹き付ける霧化形塗装に大別される。霧化形塗装は被塗物の形状をあまり選ばず、刷毛目などが発生しないため美しい仕上面が得られるが、ミストと呼ばれる塗料のムダが発生する。この課題に対して、アースした被塗物を正極、塗料噴霧装置を負極とし、直流高電圧をかけて両極間に静電界をつくり、塗料微粒子を負に帯電させて、塗装する方法が静電塗装である。静電塗装では、帯電した塗料は電気力線に沿って飛び、正極の被塗物に塗着するため塗料ミストの飛散が少ない。このため、塗料の節減と共に、公害や作業環境の改善に役立ち、特に大量生産品の塗装方法として普及している。また、静電塗装では塗料が微粒子化し、気泡のない美しい仕上がりを得ることも可能で、作業効率も高い。そのため自動車をはじめ、家電製品、事務機器、建築パネルなど大量生産品の塗装に広く用いられている。
 粉体塗装(powder coating)は、溶剤を使用せず、固体の塗料を微粉末とし、静電塗装や浸せき塗装によって被塗物に塗布した後加熱して固着させる塗装方法である。有機溶剤の持つ毒性や、 ...

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