〜Technical View〜
自動車メーカーは軽量化やリサイクルなどの観点からボンネットやリアドアなどのボディのアルミニウム化を進めている。アルミ合金の薄板構造では、組立工程における歪を最少に抑え、施工能率を高めるため点接合法が用いられており、その主要な工法は抵抗スポット溶接である。工法は接合対象物を銅合金製電極ではさみ、数万A 以上の電流を流し、その電気抵抗熱で板と板の間の界面を溶融させて一体化する接合工法で、電気抵抗の大きい炭素鋼やステンレス鋼など鋼材の溶接には適している。しかし、アルミ合金は電気抵抗が小さいので、発熱させるために鋼材の約3 倍の電流が必要で多額の電力コストがかかる。さらに、上下の電極から大容量の電流を流すため熱による変形が大きく、接合部に痕跡が残る。電極表面の損耗も激しく電極表面の研磨や清掃、電極の交換が必要。溶接施工時には粉塵やヒュームが発生するので作業環境も劣化する。アルミ合金の接合ではこの他、リベットを用いるセルフピアシングリベット法や、2 枚の対象物をカシメで接合するクリンチング法などがある。しかし、リベットなど副資材のコストや接合部の強度、施工能率などの面で問題が多く、一部の自動車ボディなどに適用されるに留まっている。アルミ合金の点接合法が抱えるこうした問題を解決するために ... つづきは本誌2007年6月号でご購読下さい。 金属・樹脂接合技術
|