〜特集:「建設機械業界の板金調達」〜

マシンキャブのハウジングカバー、ブラケットを加工
Dr.ABE_Bendの金型一括段取りソフトで曲げスケジュールを作成

山崎金属工業株式会社



好調続く建機業界
山崎龍三社長(左)と山崎健治専務取締役(右)  「建設機械業界はここ5年ほど、毎年生産が増えています。当社売上の65%を占める建機メーカーからも油圧ショベル・年間10,000台計画を達成するため協力工場に増産要請が出ています。今後10年は今のような昇り調子が続くという話で、当社も土曜休みを返上して増産対応しています」。活況な業況を話し始めた山崎龍三社長だが慎重な意見も出る。「今の好景気は国内的要因よりも北米・ヨーロッパ・中国などの従来の市場で伸びているからで、消費地生産ということを考えると、現在の国内生産が何時海外へシフトするか分かりません。2、3年以降はまったく予測不能です。メーカーの要請で海外進出できる工場は別として当社のような規模の工場ではそこまでのリスクを背負うことはできません。建機市場の構造変化によって当社で製造するマシンキャブに使われるハウジングカバー、ブラケットなどの部材調達が、今後どのように変化していくのか不安です。しかも、コストダウン要求は厳しく、材料高騰の状況下では収益確保も難しい」。

協力工場の再編
Dr.ABE_Bendで曲げシミュレーションを行う  「建機業界も部材調達をパーツ発注からサブアッシーしてコンポーネント、モジュール単位でセット発注する傾向が一般的となっています。サブアッシーできる規模を備えた工場とそうでない工場との格差が生まれ、協力工場の再編が起こってきます。当社でも、ある程度のユニット製作には対応できますがコンポーネント、モジュール単位となると難しく、塗装などの表面処理ができません。結果としてカチオン塗装設備を持っている協力工場にパーツを納め、そこからメーカーに納入するという流れができています。現工場は手狭で、新工場建設も考えていますが将来…

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