〜特集:「建設機械業界の板金調達」〜

※ 1クローラークレーンのプラットホームを生産
加工、溶接・組立、塗装までを一貫受注

株式会社アライ 



クレーン市場は需要拡大傾向
新井敏男社長  クレーン市場は需要拡大が続く北米、東南アジア、堅調に推移する欧州、中国に加えて、世界的な資源不足を背景に石炭・原油・天然ガス・鉄鉱石などの増産が続く中東・インド・豪州など資源国での市場伸長により好調さを持続している。国内においては世界的なクレーン需要増により、中古クレーン車の国内ストック台数の減少、更新時期を迎えた機械の買い替え、排ガス規制などの環境対応などで需要が順調に回復しており、世界規模でみてもクレーン市場は引続き需要拡大傾向にある。クレーンにはキャタピラー走行のクローラークレーンと※ 2ホイール走行のトラッククレーンの大きく2種類がある。国内では日立住友重機械建機クレーン、コベルコクレーン、タダノなどが主要メーカーである。同社は以前から住友重機械工業、住友建機のサプライヤーとしてクローラークレーンの主要部であるブーム、ジブ、オペレーターキャビン、キャタピラー用のエンジンカバーをはじめとした各種カバーなどの板金部材の加工、組立を手がけていた。2002年に住友重機械工業と日立建機、タダノが出資して発足した日立住友重機械建機クレーン鰍フサプライヤーとしてプラットホームや各種カバーなどの板金部材を生産、同社名古屋工場に納品している。

30 .40点の部品で構成されるプラットホームを受注
生産管理システムAPC21による受注登録  受注するクローラークレーンの機種は30機種以上、受注ロットは1台単位となっている。確定受注して納品までのリードタイムは2週間以上、機種によっては1カ月以上の猶予期間がある。しかし、納品は名古屋工場の組立納期に対応して厳しく求められている。プラットホームに使われる鋼材は板厚6oを中心にして厚板は12oまで対応、カバー関係では建機業界専用の2.6oという薄板を使う場合が多くなっている。プラットホームは多い機種で80点、平均すると30〜40点のパーツから組立てられている。以前は分割で発注されるロットを見越し、リピート受注する機種に関しては見込み生産して在庫する事もあったが今はJIT生産を行う。また、溶接・組立工程まで行って必要なパーツが抜け落ちることをなくすため、受注した機種の製番を親番にして子部品、孫部品をツリー構造に管理する機番生産方式を導入するとともに、機番単位に必要な子部品、孫部品をパレットに格納して ...

※1 キャタピラー
※2 車・車輪

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