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試作ビジネスを支えるAi-Link
国内と海外拠点をつなぐ

株式会社菊池製作所 



ものづくりメカトロ研究所開設
代表取締役 菊池 功氏  創業以来36 年、“あくなき挑戦で未来を切り拓く”をモットーに創業するトータル試作メーカー。設計・型製作・モールド成形・プレス加工・板金・切削・ハンドモールド等の加工条件が異なるものを一括受注し短納期・高品質で業績を拡大、現在では韓国、中国にも工場を開設し試作ビジネスをグローバル展開している。開発型企業を目指し昨年、本社工場内に「ものづくりメカトロ研究所」を開設、最新メカトロ技術の開発を進める。

海外進出のきっかけ
 「試作のグローバル化といってもきっかけは、お得意さんから「海外で優れた金型を造る会社がないから進出したらどうだ」と進言されて。現在、韓国と中国に工場があり、韓国は10 年以上経過して落ち着いています。中国は日本から当社のような企業が集って出て日系企業を中心に仕事は堅調に推移しています。中国には6 人ほどのエンジニアを派遣、現地採用の従業員は300 名の規模になりました。日本では30 〜50 人で「モノづくり」をしていますが、中国では1,000 〜 2,000 人規模の会社はザラで当社は小さい方です。1,000 〜 2,000 人の会社は量産工場で、開発・試作という仕事は、まだ日本国内の方が有利です。日本の物価と人件費が仮に20%低く抑えられれば、わざわざ中国で作らなくても国内で量産すれば勝負できると思います。中国に進出するときには他の経費も掛かるので日系企業は30 〜 50%のコスト削減を考えて進出している。それでも現地の従業員教育や輸送等のリスクを考えれば日本国内で20%のコスト削減が可能ならば量産分野でも十分、中国に対抗できます」。

国内と海外生産に区分する判断
超微細板金工場のベンディングマシン 儲かる企業体質にするために、「“ムダ・ムラ・ムリ”を極力省いて、極限までもコストを下げることに取り組み、開発から試作までは国内で、量産に入る時にロットの大きい物は海外に、少量および変種変量製品は国内生産という流れが生まれています。板金比率の高いもの、低いものという中でコストダウンに対する手法も変わってくる。以前、試作は板金でも量産になればプレスによる量産加工というのが※ 1 セオリーだったが、今ではそうした考えはなくなってきました。メーカーは製品の価格破壊により板金部品は勿論、ビスひとつに対しても真剣に ...

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