Report ― VPSSを活用した板金ナレッジメント(下)
前回(3月号)に続き(株)アマダからVPSSを活用した板金ナレッジメントのレポートを掲載します。 3. デジタル板金工場 アマダは、ITをはじめとする最新技術を活用した高生産・高付加価値板金工場を「デジタル板金工場」と称して3つの切り口で推進している。 3-1 3つのデジタル化 ― デジタル宣言 ― デジタル化1「内段取りの外段取り化」 板金加工工程の中で、最も段取りが多いとされているのは曲げ工程であり、従来の加工だと段取り時間80%、実加工時間20%といわれている。マシンの稼働率を向上させるには、マシンを停止させて行う内段取りをマシンの稼動中に行う外段取りにどれだけ変えることができるか、にかかっている。従来の加工では、なぜ段取りに時間がかかるのか。例えば、プログラム作成では材料・マシンの特性や加工方法を熟知していなければならない。実加工においても、経験に基づく多くの要素を加味しながら設定を行う。これではベテランに仕事が集中し、いくら現場が努力しても早期の稼働率向上は望めない。 こういったベテランの頭の中で行ってきた「頭脳展開」(参照:図3)と呼ばれる段取り作業をデジタル化し、外段取り化することでベテランへの集中を解消することがデジタル化の狙いでもある。会社内のだれもが段取りを行えるようになることで、稼働率が向上し、段取りと実加工の割合を逆転させていくことにつながるのである。 デジタル化2「インテリジェント化」 2つ目としてマシン自体のインテリジェント化を図り、誰にでも使え、作業者負担の軽減を図るマシンを開発している。 @段取りの知能化:段取り手順のアナウンスなど A操作の知能化:作業者の意図するところを予測する B加工の知能化:最適加工順の設定など Cメンテナンスの知能化:事前のメンテナンス告知や自己診断機能 これらの知能化されたマシンによって、誰でも簡単に高品質の製品を安定して生産できることを目指している。 ... つづきは本誌2007年4月号でご購読下さい。 |