〜INTERVIEW〜

理工系人材を育てる戦略を 産官学が連携して共有することが必要

上智大学理工学部機械工学科
清水 伸二 教授


 清水伸二教授が主宰する精密工学講座では精密機械の静的・動的・熱的な特性や運動精度の評価法に関する研究、結合面の静的・動的・熱的な特性の解明とその実設計への適用法に関する研究、熱変形フリーの工作機械の研究などマザーマシンといわれる工作機械の性能向上に関する研究をはじめとして、その他加工関連の研究を行っている。学部、修士、博士課程と全体で20数名の学生が在籍、学部卒業生の半数以上が大学院に進学して地道に精密機械・加工技術の研究に取り組んでいる。清水教授に話を伺った。
 『少子高齢化で大学への進学者数が減少する中で、大学のサバイバル競争も熾烈になっています。学生集めのために大学のブランド化を進めようと、製造業を支える理工系人材を教育する理工学部の学部再編でも、脚光浴びる環境工学、システム工学、など新しい学科を開設する動きが目立っています。その中で機械工学や電気電子工学など工学教育のコア学問が融合化という名目でなおざりにされる傾向も出てきて、結果、 理工学部の理工教養学部化が進んできているように思います。機械や電気・電子の基礎知識も十分でないままに環境工学やシステム工学を学んだところで本当に社会が必要とする人材が育つのか、疑問です。好景気が続き理工系学生の就職は売り手市場化していますが、企業が本当に必要とする人材が適材適所にリクルートされているかといえば、必ずしもそうではありません。企業の人事担当者もブランド大学の卒業生ならほどほどの人材だろうという程度の認識で面接をされているのではないでしょうか。本来なら ...

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